車の外観で最も気になる部分はどこ? フロントフェイス? 全体のフォルム?(←まぁわかる)え? ドアミラーが気になって仕方ない!?(←マニアックすぎぃぃ!!)
……そんなマニアック(というか地味)な、ドアミラーが進化を遂げていること、ご存じだろうか。
主にハッチバックやセダンで比較すると、10年以上前に発売されたモデルに比べ、最新のモデルはドアミラーの取り付け位置や大きさ、形状も大きく変わっているのだ。その理由は如何に!?
文:ベストカー編集部/写真:MAZDA、VW、NISSAN
ベストカー2014年6月26日号
ドアミラー『位置』が変わった背景にある明確な理由
下の2枚の写真は初代アテンザと、現行アテンザのAピラー周辺のもの。初代に対して現行型のドアミラーは明らかに車両の後ろ寄りに後退していることがわかる。
なぜか? マツダ広報部に問い合わせると、次のような答えが返ってきた。
「ドアミラーとAピラーの間に隙間をつくり、歩行者安全を確保するためです」
歩行者安全のためにドアミラーの取り付け位置は変わっていたのだ。
いっぽう、トヨタ広報部は別の理由をあげる。
「主にセダンタイプで(ドライバーの)直接視界を向上させるため、最近はドアパネル付けのドアミラーに変わってきている傾向があります」
ドライバーが運転している時、斜め前方を直接見ようとすると、ドアミラーが妨げになって見えない部分(=死角)が生まれる。
そこで、ドアミラーを後方にズラすことで死角を減らし、直接視界を向上させるという考え方だ。
なぜ最近になってこうしたドアミラー位置の変更が目立ってきたのか? これはドアミラーが以前に比べ大型化したことと関係がある。
ミラーが大型化すると、斜め前方の死角も増える。つまり……
1.ミラーが大型化
2.前方の死角が増える
3.ミラー位置を後方に移動
という流れで、最近のドアミラー位置のトレンドが生まれたのだ。
VWが明かすドアミラーの『形』が変わった理由
最新のモデルでは、ドアミラーの『位置』だけでなく『形』も変わってきている。フォルクスワーゲン(VW)広報部は、その理由をこう語る。
「2000年にVWの最高級車、フェートンが発売された時に、ドアミラーの形状は、視認性だけでなく、(高速域での)空力特性や音響特性にも優れたものでなくてはならないと定義されました」
実はフェートンはVWで初めてドイツメーカーの自主規制、最高速250km/hに達した車だと言われている。
これだけの高速で高級車としての静粛性を満たさなければならないとなると、必然的にドアミラーの形状も空力性能に優れ、風切り音が少ないものにしなければという要求が生まれてきたのだ。
VWではフェートンで採用したドアミラー形状に関する考え方をその後のすべての車種に適用することにしたそう。だから例えばゴルフIIIと最新のゴルフではドアミラーの形が大きく違うわけだ。
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