2022年に発表されたボルボ EX90。XC90の実質的後継車といわれるEX90だが、ソフトウェア開発の遅れから、市場投入が延期されていた。2024年の欧州登場を経て、ようやく日本に登場したボルボBEVのフラッグシップに試乗した。
※本稿は2026年8月のものです
文:戸田治宏/写真:中島仁菜
初出:『ベストカー』2026年9月10日号
発表から4年……ボルボ EX90ついに試乗!
2022年秋に本国で発表されながら、ソフトウェア開発の影響で市場導入が遅れたボルボBEVのフラッグシップ、EX90。2024年に発売されるや欧州では引っ張りダコで、ようやく日本にも順番が回ってきた。
ハードウェアとソフトウェアのほぼすべてが新作だ。プラットフォームはBEV専用の「SPA2」。車両システムを統合制御するNVIDIA「Orin」を核とした次世代コアコンピューティングシステムも初採用だ。車内外のセンサー類も一新。EX90はボルボ初のいわゆるSDVになる。
そして、スタート価格はXC90のPHEVより約100万円安! 試乗車の最上級グレードでも約100万円高で、補助金を頼まなくても充分戦える、実に戦略的な設定なのだ。
そのウルトラ ツインモーター パフォーマンスは、システムトータルで680ps/88.7kgmを発揮。流れに乗って走る限り、旧アルピナの4.4L・V8ターボに匹敵する動力性能の凄まじさはおくびにも出さない。通常走行はリア駆動だ。
しかし、ハイレスポンスかつ常時4WDのパフォーマンスモードを選ぶと、アクセルを軽く踏み込むだけでも0-100km/h加速4.2秒の片鱗を披露。慌ててアクセルを戻すことになる。ワンペダルドライブも4モードから設定可能だ。
プレミアムSUVとして十分な実力
ウルトラは新しいデュアルチャンバー式のエアサスが標準。XC90のシングルチャンバー式より緻密な制御が可能で、コンフォートモードでは首都高の段差でも22インチタイヤの硬さをまるで感じさせない。サスの硬さやステアリングの操舵力も3段階に調整できる。
ロードノイズや車外音も抑え込まれた車内の静寂と相まって、ドライビングも乗り心地も快適至極。都心エリアを走る限り、不満はまったく見当たらない。
テスラと同じくセンターディスプレイ内に集約されたチルト&テレスコやドアミラーの調整は操作が面倒だが、EX90は基本的にスマホをデジタルキーとして使う。パワーシートなども紐付けられるため、家族共用でも自分のスマホで開錠すれば設定操作は不要だ。
日本仕様は中国・成都工場製。事情通によれば、生産精度は米・南カリフォルニア工場より上とか。BEV3列プレミアムSUVを求める向きに有力な一台。2026年冬に国内発売予定のレクサス TZの強敵になる。
●ボルボ EX90 Ultra Twin Motor Performance 主要諸元
・全長×全幅×全高:5035×1965×1740mm
・ホイールベース:2985mm
・車両重量:2740kg
・パワーユニット:永久磁石同期電動機
・総電力量:106kWh
・モーター最高出力(前・後):299ps・381ps
・モーター最大トルク(前・後):39.8kgm・48.9kgm
・タイヤサイズ(前・後):265/40R22・295/35R22
・駆動方式:4WD
・一充電走行距離:650km
・価格:1399万円






















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