クラウンのクロスオーバー、スポーツ、セダンが2026年9月に商品改良を受けるなか、エステートだけは年末までお預けとなった。具体的な改良内容はまだ明かされていないが、先に進化した3兄弟を見れば方向性は読み取れる。エステートはどこが変わるのか、大胆に予想してみよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】一部改良したクラウン3兄弟をイッキ見! エステートの進化を想像してみて!(10枚)画像ギャラリー3兄弟の改良に見える「性能向上」と「選択肢拡大」
2026年9月の商品改良では、クラウンファミリーのうちクロスオーバー、スポーツ、セダンの3モデルが先に進化した。
クロスオーバーでは、2.5Lハイブリッドのフロントモーターを従来の88kW(120ps)から100kW(136ps)へ強化。WLTCモード燃費も従来の22.4km/Lから23.1km/Lへ向上した。動力性能と経済性を同時に底上げしたわけだ。
装備面では、RSにレッドのカラードキャリパーやディンプル加工の本革ステアリング、本革シフトノブを採用。10スピーカーと8チャンネルオーディオアンプを組み合わせたトヨタプレミアムサウンドシステムも用意され、上級車らしい質感を高めている。
スポーツでは、第5世代ハイブリッドシステムの改良によって、フロントモーターの出力向上と燃費改善を実施。さらに、従来は最上級のRSだけだったPHEVにZを追加し、電動走行をより選びやすくした。
セダンでは、価格を抑えたGを新設定。後席を重視するユーザーに向けて13.2インチ有機EL後席ディスプレイも用意され、ショーファーカーとしての魅力を強化している。
3モデルの改良に共通しているのは、単なる装備追加にとどまらず、パワートレーンの性能向上とグレード選択肢の拡大を進めていることだ。
そこで年末のクラウンエステートにも期待したくなるが、注意したい点がある。現行エステートは2025年3月に登場したばかりで、ほかの3モデルより設計が新しいのだ。
たとえば2.5LハイブリッドのZは、すでに134kW(182ps)のフロントモーターを搭載している。9月に出力を100kWへ高めたクロスオーバーよりも強力であり、同じ手法によるモーター強化は必要ない。
トヨタプレミアムサウンドシステムも現行型に標準装備済み。DRSによる後輪操舵や電子制御サスペンション、トヨタ チームメイトのアドバンスト パーク、渋滞時支援なども備わっている。
つまりエステートの商品改良は、3兄弟と同じ装備を追加するだけでは成立しない。もともと新しいエステートを、さらにどう進化させるかがポイントとなる。
本命は新グレード追加!? 価格上昇も避けられないか
もっとも可能性が高そうなのは、グレード構成の見直しだ。
現行クラウンエステートは、635万円のハイブリッドZと810万円のPHEV・RSという2グレードしかない。どちらも装備が充実した上級仕様で、最も安いZでも600万円を大きく超えている。
クロスオーバー、スポーツ、セダンには、いずれも価格を抑えたGが設定された。シリーズ全体で購入しやすいグレードを増やしていることを考えると、エステートにもハイブリッドのGが加わる可能性はありそうだ。
もうひとつ考えられるのが、スポーツと同じPHEV・Zの追加である。
エステートのPHEVは現在、専用ブレーキやレッドキャリパー、専用内装などを備えたRSのみ。PHEVそのものが欲しくても、スポーティな装備までは必要ないというユーザーには選びにくい。
そこで強化ブレーキや専用加飾を省き、価格を抑えたPHEV・Zを設定すれば、選択肢は一気に広がる。85万円のCEV補助金を利用できれば、ハイブリッドとの実質的な価格差も小さくできる。
一方、パワートレーンの大幅な変更は考えにくい。ハイブリッドはすでに高出力モーターを搭載し、WLTCモード燃費は20.3km/L。PHEVも89kmのEV走行距離を確保している。出力をさらに高めるより、制御の見直しによる滑らかさや燃費の改善が中心になるのではないか
RS専用となっているリヤコンフォートモードや後席シートヒーターを、ハイブリッドのZへ拡大することも期待したい。大人のアクティブキャビンを掲げるエステートだけに、後席を含めた長距離移動の快適性は重要な商品力となる。
内外装では、新しいボディカラーやホイールデザインの追加、ステアリングスイッチ周辺やシフトノブの質感向上が考えられる。ただし現行型は2025年11月に70周年特別仕様車を追加したばかりであり、外観を大きく変えるほどの改良にはならないだろう。
そして避けて通れないのが価格上昇だ。9月改良ではクロスオーバーが最大4万9400円、スポーツが最大16万1000円値上げされた。原材料費や装備充実を考えれば、エステートも現行価格を維持できるとは限らない。
以上をまとめると、年末の商品改良では「ハイブリッドGまたはPHEV・Zの追加」「快適装備の設定拡大」「内外装の質感向上」「制御の熟成」、そして「価格の引き上げ」が有力と予想する。
エステートは最後発だけに、現行型の時点で3兄弟の進化をかなり先取りしている。だからこそ年末改良の主役は、性能の大幅アップよりも、ユーザーが予算や使い方に合わせて選べるグレードの拡充となるのではないか。果たして予想は当たるのか。正式発表が楽しみだ。
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