夏の集中豪雨などで冠水路ができそうな場合、あるいはすでにできた時、そこを通らないのが最善の策なのだが、やむを得ず進入してしまい、クルマを水没させてしまったらどう対処すればいいのだろうか。高根英幸氏にうかがってみた。
※本稿は2026年9月のものです
文:高根英幸/写真:ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=naka@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
水没した時の影響と対処法
冠水路で水没させてしまうと、クルマにはさまざまなダメージが及ぶ。
まずはエアクリーナーから水を吸い込めばエンジンは停止、さらに燃焼室に水がそのまま入り込めばウォーターハンマー現象により、エンジンは破壊される。そうなったらエンジンを載せ替えるしかない。
そしてエンジンは吸排気以外も密閉された状態ではない。外部に動力を取り出している以上、アウトプットされる箇所は水が浸入しやすい場所となる。
代表的なのはオイルシールだ。エンジンや変速機には、回転部などにオイル漏れを防ぐオイルシールが取り付けられている。短時間の冠水走行で、内部に圧力がある状態であれば大丈夫だが、長時間水没していると、水の浸入は免れない。
さらに内部の圧力を逃すためにパワートレーンにはブリーザーが設けられていることも多い。これが冠水時には浸入路になって、内部に水が浸入し、ダメージを与えてしまうこともある。
また走行中に生じた水圧によっては、ラジエターやエアコンのコンデンサーのフィンが潰れてしまったり、冠水路のゴミによる目詰まりによって冷却能力が低下することもある。清掃で回復すればいいが、交換となるとけっこうな出費となってしまう。
そして室内が浸水すれば、冠水の水質によっては壊滅的な状況になる。雑菌だらけの水に車内が浸れば、カーペットやシートは悪臭やカビの発生により、その後の利用ができなくなり、価値もなくなってしまうのだ。
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●高根英幸/メンテナンス、メカニズム、あらゆるジャンルのクルマの試乗といった豊富な専門知識と経験で、クルマの購入ガイド、ユーザー車検などについてマルチに執筆。最近注目を集めている「クルマと災害」についての造詣も深い
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