痛みがないからと安易に怪我がないと判断する
クルマ同士がぶつかった直後は、脳内でアドレナリンなどの興奮物質が分泌されているため、人間の体は痛みを感じにくい状態となっている。
そのため、現場に到着した警察官に対して「どこも痛くないので大丈夫です」と答え、単なる物損事故として処理を終わらせてしまうドライバーも少なくない。
しかし、追突などの衝撃は想像以上に大きく、事故から数時間後や数日後に首の痛みや手足の痺れ、強い吐き気といった「むち打ち(頸椎捻挫)」の症状が現れることがある。
一度現場で物損事故として処理されてしまうと、後から痛みが出て人身事故へと切り替えるためには、医師の診断書を取得したうえで改めて警察に出向く必要があるなど、その手続きは思った以上に煩雑なものに。
最悪の場合、事故と症状の因果関係が認められず、自賠責保険などからは治療費や慰謝料が支払われないというリスクも生じてしまう。
たとえ事故直後に痛みは感じなくても、安易な自己判断は厳禁。事故によって少しでも体に衝撃を受けたのであれば、必ず整形外科などの医療機関を受診し、必要があれば人身事故として適切に処理してもらう慎重さが必要だ。
事故相手の確認不足やドラレコ映像の保存忘れ
警察が到着するまでの待ち時間や、軽い接触事故でお互いに急いでいる時など、相手の氏名や電話番号を口頭でのみやり取りし、その場を立ち去ってしまうケースがある。
しかし、いざ保険会社を通じて連絡をとろうとすると「電話番号が使われていない」「何度かけても着信拒否される」といった事態に陥り、最終的には泣き寝入りを余儀なくされる…なんてことも。
こうした事態を防ぐためにも、事故相手との連絡先のやり取りは、運転免許証を提示してもらい、氏名や住所をスマホで撮影するなど確実な証拠として残す必要がある。
あわせて、相手のクルマのナンバープレートを全桁記録しておくことも忘れずにやっておきたい。
また、近年装着率が高まっているドライブレコーダーの映像の管理も重要なポイントだ。
事故時の衝撃を検知し、自動的に別フォルダに映像を保護する機能があるタイプであれば安心だが、そうではない機種の場合、そのまま走り続けると古いデータから順に上書きされてしまうことがありうるからだ。
自動保護機能がない機種の場合は、取扱説明書に従って手動で保存するか、本体の電源を切ってからSDカードを取り出すなど、上書きを防ぐ措置を行いたい。
また、容量の少ないSDカードの場合、高画質録画ではわずか数時間程度で別のデータが上書きされてしまうこともあるため、同様に、事故直後にSDカードを抜くか手動で保護操作を行うことを忘れないようにしたい。
【画像ギャラリー】その「良かれ」が命取り?(7枚)画像ギャラリー万が一に備えておきたい事故処理の正しい手順
ここまでにあげたNG行動を回避し、後のトラブルを防ぐためには、事故直後の正しい対応手順を頭に入れておくことが肝心。最後に、その手順をひと通りおさらいしておこう。
まず事故を起こしてしまった場合、直ちに負傷者がいないかを確認する。怪我人がいる場合は119番へ通報し、救急車が到着するまで可能な範囲で応急処置を行う。
同時に、ハザードランプを点灯し、自走可能であれば交通の妨げにならない安全な場所へクルマを移動させる。高速道路上で停止した場合は、発炎筒や停止表示器材で後続車に知らせたうえで、運転者と同乗者はガードレールの外側などへ避難する。
負傷者の救護と並行して忘れてはいけないのが110番(警察)へ通報だ。落ち着いて、事故の発生場所や状況などを正確に伝えよう。
警察官の到着を待つ間に連絡先などの確認。互いの運転免許証を提示し合うとともに、スマホのカメラなどで自分のクルマと相手のクルマの損傷箇所や、ブレーキ痕など、現場の状況も合わせて撮影しておくといいだろう。
さらにドライブレコーダーの映像が上書きされないように保存したら、最後に自分が加入している保険会社へ事故の第一報を入れる。
以後の対応については、現場では警察官の指示に従い、その後の保険や賠償に関する対応は、加入している保険会社や必要に応じて弁護士などの専門家に相談しよう。
交通事故はどれだけ気をつけていても、予期せぬ瞬間に起こるもの。パニックに陥りやすい状況下でも、絶対にやってはいけないNG行動を頭の片隅に置いておけば、冷静な判断を取り戻すきっかけとなり、自分自身を守ることにもつながるはずだ。
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