パジェロエボリューションってどんなクルマ? 280psの3.5L V6を積んだラリー直系の怪物!
では、そもそもパジェロ エボリューションとはどんなクルマだったのか?
登場したのは1997年9月。パリ~ダカールラリー参戦15周年という節目に送り出された、ラリー参戦を強く意識したホモロゲーションモデルである。
ベースとなったのは2代目パジェロのメタルトップZR-S。しかし、その中身は普通のパジェロとはまったくの別物だった。
まず見た目からして強烈である。
ボディサイズは全長4075mm、全幅1875mm、全高1915mm。専用の大型フロント&リアバンパーに巨大なオーバーフェンダー、大型フィン付きリアスポイラー、サイドステップ一体型エアダムスカートを装着。ボンネットには大きなエアインテークを設け、オーバーフェンダーにもエアアウトレットを備えていた。
単に派手に見せるためのエアロではない。高速走行時の安定性や空力、エンジンの冷却性能など、ラリーで必要とされる機能を突き詰めた結果のデザインだったのである。
しかもボンネットフードやスキッドプレートにはアルミを使用し、軽量化と低重心化まで図られていた。
さらに凄いのがエンジンだ。
搭載されたのは6G74型V6 3.5LをベースにしたMIVEC DOHCエンジン。可変バルブタイミング・リフト機構と可変吸気システムを採用し、最高出力280ps、最大トルク35.5kgmを発生した。
当時の280psといえば、スカイラインGT-Rやランサーエボリューションなど、日本を代表する高性能車が並んでいた領域だ。それを本格クロカン4WDのパジェロに積んでしまったのだから、三菱の本気度がわかる。
しかもチタン製バルブリテーナー、中空吸気バルブ、ナトリウム封入排気バルブなどを採用。単に最高出力を上げるだけではなく、ラリーで酷使されることまで想定して高回転域での信頼性と耐久性を高めていた。
トランスミッションは5速MTに加え、電子制御5速ATのINVECS-IIスポーツモード5A/Tも設定された。
そしてパジェロエボをさらに特別な存在にしていたのが足まわりである。
専用の四輪独立懸架「ARMIE」を新開発し、前後ともダブルウィッシュボーン式コイルサスペンションを採用。トレッドはフロントで125mm、リアで110mm拡大し、前後とも1590mmとした。
サスペンションストロークもフロント240mm、リア270mmを確保するなど、荒れた路面でタイヤを地面から離さないための設計が徹底されていた。
駆動系にはスーパーセレクト4WDを採用。さらにリアにはヘリカルギヤ式LSDとビスカスカップリングを組み合わせたハイブリッドLSDを装備した。
つまりパジェロ エボリューションとは、単に「パジェロに大きなエンジンを載せたスポーツモデル」ではない。
エンジン、4WD、サスペンション、ボディ、空力、冷却性能まで、ラリーで勝つという目的に向かって徹底的に作り込まれたクルマだったのだ。
そして1997年といえば、篠塚建次郎選手がパリ~ダカールラリーで日本人初の総合優勝を成し遂げた年でもある。パジェロとモータースポーツの結びつきが最も熱かった時代に生まれたのが、このパジェロ エボリューションなのである。
時代は変わった。現在のSUVに求められるのは速さだけではなく、環境性能、安全性能、快適性まで含めた総合性能である。
だからこそ、新型パジェロには新しい時代の「エボリューション」を見せてもらいたい。
かつてのモデルをそのまま再現する必要はない。新型が手に入れたS-AWCやスーパーセレクト4WD-II、高剛性ラダーフレームといった武器を使って、「三菱が本気で作ったらSUVはここまで走れる」というクルマをもう一度見てみたいのである。
ランエボ復活を待ち望んでいる人も多いだろう。しかしその前に「パジェロエボ」という選択肢だってある。
新型パジェロ復活の次は、パジェロ エボリューション復活! そんなニュースが飛び込んでくる日を期待したい。
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