運動会で「かけっこ」に順位をつけないなど、「みんな違ってみんないい」の精神が広がっている。もちろんそれは悪くない。しかし! ラグジュアリーミニバン頂上対決、トヨタ アルファード vs 日産 エルグランドだけは見たいんです!!
※本稿は2026年9月のものです
判定・文:渡辺陽一郎/写真:平野 陽、トヨタ、日産
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
誰もが見たい好カード「アルファード vs エルグランド」
全長が4900mmを超えるLサイズミニバンは、実質的にトヨタ アルファード&ヴェルファイアの一人勝ちだ。そこに日産 エルグランドが16年ぶりにフルモデルチェンジを行って改めて挑戦する。
新型エルグランドは、全高をアルファードよりも40mm、先代エルグランド比で160mm高めたことで外観の存在感を強めた。デザインも個性的で、全幅も1895mmでアルファードより広く、インパクトがある。
また、運転席からの視界も、先代比でアイポイントを76mm持ち上げたこともあり、アルファードと比べても周囲を見やすいのが好印象だった。
ハイブリッドのe-POWERは、発電を専用開発の直列3気筒1.5Lターボが行う。高効率な回転域を保って発電するので燃費でも有利だが、エンジンノイズが一定に聞こえると乗員に違和感が生じる。
そこで遮音を入念に行い、ノイズを徹底的に抑えた。その効果で車内はアルファードハイブリッドよりも静かだ。
走りはモーター駆動のエルグランドが優勢!
エルグランドは動力性能も優れる。モーター駆動による最大トルクは約500Nm(約51.0kgm)以上。ガソリンエンジンなら5L相当だ。
アクセルを踏み込むと、走行状態を問わず素早く速度を上昇させる。アルファードハイブリッドがエンジン回転を高めてから速度を上げるのに対し、エルグランドは反応も機敏でノイズと振動も少ない。
そしてエルグランドは、後輪を前輪とは別のモーターで駆動する4WDのe-4ORCEを搭載した。アクセルを踏みながら曲がる時でも内側ブレーキを作動させて安定性を高めたり、4輪のショックアブソーバーも独立制御する。
4輪の接地性が高く、峠道でも旋回軌跡を拡大させにくい。一般的なミニバンは、後輪の接地性と安定性を保つことを考えてステアリング操作に対する反応を鈍く設定するが、エルグランドは自然な印象だ。上りカーブの出口でアクセルペダルを踏み増しても、内側の前輪が空転しない。
乗り心地も基本的にアルファードと同等で突き上げ感が少ない。ドライブモードをコンフォートにして峠道を走ると、ボディの傾きが拡大して違和感が生じるが、街なかに限れば快適だ。
内装は作りの上手さが光るアルファード!
エルグランドのインパネは壮観だ。上位グレードのGでは14.3インチのメーターディスプレイと同サイズのインフォテインメントシステムが並ぶ。アルファードはセンターコンソールが乗員を囲む形状で、合成皮革も含めてやや古典的だが、上級車種の重厚感が伴う。
両車の内装で最も異なるのは2列目シートだ。エルグランドもセパレートタイプで電動オットマンなどを備えるが、アームレストは可動式。
その点、アルファードZは両側に固定された大型アームレストが備わる豪華なエグゼクティブパワーシートだ。見栄えではやはりアルファードが勝る。
つまりエルグランドはミニバンとは思えない走りのよさが特徴で、アルファードはミニバンの王道とされる豪華さを突き詰めた。
同じミニバンの王を目指す2台だが、直接対決させることで、目指す方向性の違いが、より明確になった。



























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