日本独自の規格である軽自動車。今までは当然のように外国メーカーからの参入はほとんどなかったのだが、時代はEV。「だったらウチの得意分野です」とばかりに、中国の大手BYDが軽EVに参入。軽キング・ホンダ N-BOXに挑戦する!!
※本稿は2026年9月のものです
判定・文:松田秀士/写真:茂呂幸正
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
BYDがスーパーハイト軽を徹底研究
まずはサス。N-BOXはストロークを大切にしている。縮み/伸びのどちらも、横転リスクを持つスーパーハイト系のなかでは特にストロークのあるセット。バネレートもソフトでロールも大きい。このストロークで乗り心地はかなりいい。
ラッコはストロークの初期が柔らかく、ロールが深まるにつれてプログレッシブに硬くなる。ロールはさほど大きくはない。バネレートは高いが硬さ感はN-BOXと同等。バンプラバーでロールを自然に止めている。
市街地レベルの乗り心地はどちらも同等だが、高速道路100km/h前後での連続する凸凹ではラッコは突き上げ感が増す傾向。この点はN-BOXが優れている。
ただタイヤ性能の差も考慮すべきで、ラッコはかなりエコ系に振っている(硬い)。そのぶん細かなアンジュレーションを拾いぎみで、ギャップが連続するとバタつきが発生する。逆にスムーズな路面では実にフラットで揺らぎ感もない。
BEVゆえラッコの室内静粛性は高いが、ロードノイズは速度に比例して高まるのは気になる。その点N-BOXはエンジン音は気になるが平均して静かだ。
N-BOXのハンドリングは、ゆっくりノーズをインに向ける印象。ストロークのあるサスペンションなので横転リスクを下げる狙いがあると思う。
その点ラッコは比較的応答も早く、コーナリングの姿勢に移行するのが早い。X-PACKバッテリーを床下に搭載するため低重心で前後荷重配分54:46。スーパートールとは思えないハンドリングバランスだ。
しかもステアはテレスコを装備するからドラポジの自由度が高い。
ラッコは魅力的だがN-BOXも実力派
新東名を120km/h巡航したが抜群の直進安定性。ただトラック追い越しの横風には若干乱す。これはN-BOXも同様だった。
ラッコの注目はエネルギーマネージメントで電費がいいことと、ハーフ充電量レベルでも受け入れ限界電力の50kWで急速充電できること。これなら遠出も苦にならない軽EVだ。
が、ラッコに対してN-BOXが完敗しているわけではない。どの部分が自分にあっているのか? それぞれの得意分野が明確だ。
●採点チェック!
・BYD ラッコ300
○外観第一印象の質感:8点 ○インテリアの質感:8点 ○出足加速の力強さ:8点 ○高速巡航時の快適性:7点 ○ハンドリングの正確性:8点 ○乗り心地の質感:7.5点 ○買って満足する度:9点
・ホンダ N-BOXカスタム
○外観第一印象の質感:8点 ○インテリアの質感:7点 ○出足加速の力強さ:8点 ○高速巡航時の快適性:7.5点 ○ハンドリングの正確性:7.5点 ○乗り心地の質感:8点 ○買って満足する度:8点
ラッコはN-BOXを徹底研究して、いいところはすべて取り込んでいる。したがって室内ユーティリティは両車互角。乗り心地はN-BOX優勢だが、操縦性はラッコが優勢だ。
【画像ギャラリー】実際に写真で比べてみて! BYDラッコとN-BOXの室内大公開!(20枚)画像ギャラリー























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