同一グレードなら約105万円差!! ただしディーゼルも値上がり
ZX、GR SPORTともに1000万円前後と、かなり高額なハイブリッド車ですが、ディーゼル車も今回の改良で約100万円値上がりしており、改良後の価格は、ZXディーゼルが875万500円(税込)、GR SPORTディーゼルが915万900円(税込)。ハイブリッド車との価格差はどちらも約105万円です。
ディーゼル車は今回の改良で、ZXとGR SPORTともに、ブラックのルーフレールやクールボックス(保冷庫)、14スピーカーのJBLプレミアムサウンド、リヤシートエンターテイメントシステム、マルチテレインモニター、デジタルインナーミラー、前後方ドライブレコーダー、タイヤ空気圧警報システムなどが標準装備されました。
デジタルインナーミラーなど改良前には設定されていなかった装備があるため、改良前後の装備価格を単純に比べることはできませんが、今回標準装備されたもののうち、改良前にメーカーオプション価格が示されていた装備だけでも、合計すると約67万円。およそ100万円という値上がり幅には、こうした装備の標準化も含まれていると考えられます。
ただこれらはハイブリッド車にも標準装備されているもの。かといって、ハイブリッド車とディーゼル車の価格差105万円がそのままパワートレインの違いかというとそうではなく、パワートレイン以外の大きな違いは乗車定員。ディーゼル車が2列シートの5人乗りなのに対し、ハイブリッド車は3列シートの7人乗りとなります。
ハイブリッド車のサードシートは、5対5分割の電動格納式です。リクライニング機能とセンタートレイを備え、使用しないときは荷室側から電動で格納できます。
荷室にはフレキシブルデッキボードも採用されました。荷室を上下2段に分けられるほか、ボードを跳ね上げれば背の高い荷物も積載できます。サードシートを格納したときは床面がフラットになり、長尺物も積みやすくなります。
さらに、AC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを、センターコンソール後部とラゲージ左側の2か所に装備しています。アウトドアで電気製品を使えるほか、停電時には非常用電源としても活用できます。ZXハイブリッドには、漆黒メッキの加飾を施した専用のフロント/リヤエアロバンパーも採用されました。
630万円のディーゼルGXと比べて、ハイブリッドは「買い」か?
今回の改良では、エントリーグレードであるGXの商品性も見直されました。トヨタはGXを「ランドクルーザー本来の魅力をより体現したモデル」と位置づけ、オフロードでの実用性に特化した仕様へ変更しています。
この見直しに伴い、パワートレインは従来の3.5リッターV型6気筒ツインターボガソリンエンジンから、3.3リッターV型6気筒ツインターボディーゼルエンジンへと変更されました。前後の電動デフロックや18インチアルミホイール、アルミサイドステップなども標準装備され、価格は従来の525万2500円から630万800円へ、104万8300円上昇しています。
それでも、ZXハイブリッドとの価格差は350万200円、GR SPORTハイブリッドとは389万9500円あります。ただ、同じ3.3リッターディーゼルを搭載するモデル同士で比べても、GXとZXの価格差は244万9700円、GR SPORTとの差は285万100円もあります。
つまりこの価格は装備差によるもの。GXが18インチアルミホイール、ブラックグリル、ファブリックシートなどを採用して悪路での使いやすさを優先しているのに対し、ZXには本革の電動シートやAVS、20インチアルミホイール、12.3インチメーター、JBLプレミアムサウンド、後席ディスプレイ、ハンズフリーパワーバックドアなどが備わります。
同じディーゼル車でも、GXは悪路で使うための機能を重視したモデル、ZXは快適性や高級感まで充実させた上級モデルです。約245万円の価格差は、エンジン性能の差ではなく、こうした仕立ての違いから生じています。
そのため、どのグレードが買いなのかをいいきるのは難しいところではありますが、購入価格と燃料代を重視するなら、GXが有利です。前述したように、ハイブリッド車のWLTCモード燃費は9.4km/Lと、ディーゼル車(ZX/GR SPORT:9.7km/L、GX:9.8km/L)を下回っており、使用燃料もハイブリッド車が無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)なのに対し、ディーゼル車は軽油です。
車両価格が350万円以上安く、燃料代も抑えられることを考えれば、5人乗りで足りる人にとってGXはかなり買い得ですが、ランクルを選ぶうえで気になるのが、将来のリセールバリューです。
筆者は、中古車市場や業者間オークションの動向分析にも携わっていますが、これまで国内の中古車市場に流通したランクル300は、ガソリン車が約7割、ディーゼル車が約3割で、どちらもZXが中心でした。
従来のガソリン車への海外需要を踏まえると、ハイブリッド車のリセールにも期待はできますが、ハイブリッド車が従来のガソリン車と同じ評価を得るかは、今後の中古車市場を見極める必要があります。それでも圧倒的な動力性能と7人乗り、上級装備を備え、将来のリセールにも期待できることまで含めれば、約1000万円でもハイブリッドを選ぶ理由は十分にあると考えます。
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今回の改良で、GXは悪路での実用性を重視したモデルへと仕立て直され、そこへ圧倒的な動力性能と快適性、7人乗りを備えたハイブリッド車が新たに加わったランドクルーザー”300”。購入価格と燃料代を抑えながらランドクルーザーらしい機能を求めるならGX、7人乗りと最上級の走りを求めるならハイブリッドが「買い」です。なかでも、これまで中古車市場で流通の中心となってきたのがZXであることを踏まえれば、筆者はZXハイブリッドを本命と考えます。
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