軽自動車を選ぶなら、室内は広いほうがいい。スライドドアもあったほうが便利。そう考えれば大人気のN-BOXは文句なしの優等生だ。ところが、その「広さ」を本当に毎日使うのかと考えると話は変わる。1~2人で乗ることが多いなら、あえてN-ONEを選ぶと軽自動車の価値観まで変わってくる。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】運転席を眺めるとおもわずニヤける!? MT一本化が潔すぎるN-ONE RSがコレ!! (12枚)画像ギャラリーN-BOXの「広さ」を毎日使うとは限らない
N-BOXとN-ONEは、ともに全長3395mm、全幅1475mm。つまり道路上で占めるスペースはほぼ同じなのだが、FF車の全高はN-BOXが1790mmなのに対し、N-ONEは1545mm。245mmもの差がある。
当然、この高さは室内にも効いてくる。N-BOXの室内高は1400mmで、N-ONEは1195mm。後席の乗り降りや大きな荷物の積載、子どもの着替えといった場面では、N-BOXが圧倒的に便利だ。
でも、その空間をどれくらいの頻度で使うだろう。
通勤はひとり、休日も夫婦やパートナーとの2人乗車が中心。後席はたまに人を乗せる程度で、自転車を積むこともない。そんな使い方なら、頭上に広大な空間がなくても困る場面は意外と少ない。
むしろN-ONEに乗ると、「軽だから室内を限界まで広げなければ損」という発想そのものが薄れてくる。
背が低ければ、乗り降りした瞬間から普通の乗用車に近い感覚がある。外から眺めても、ボディが上方向へ大きく伸びていないためプロポーションは凝縮感たっぷり。軽自動車を“大きな箱”としてではなく、“小さなクルマ”として楽しめるのだ。
広さを諦めたのではなく別の価値を選んだ
N-ONEの面白さは、単なる「小さいN-BOX」ではないところにある。
丸目ヘッドライトを中心としたタイムレスなデザインに加え、ラインナップにはターボエンジン+6速MTのRSまで存在する。ホンダはRSの6速MTにS660のギアレシオを採り入れるなど、「操る楽しさ」にまでこだわっている。
これこそN-BOXとは違う方向の価値だ。
大量の荷物を積めることより、交差点をひとつ曲がること。スライドドアの便利さより、低いボディを眺めた時のカッコよさ。車内で立派に過ごせることより、小さなクルマを自分で動かしている感覚を大切にする。
もちろん、子育て真っ最中ならN-BOXの便利さは強烈だし、家族4人で出かける機会が多ければ迷わずそちらを薦めたい。
逆にいえば、その条件から外れるなら「いちばん広い軽」を選ぶ必要はないのである。
N-ONEに乗ってみると、軽自動車の限られた寸法をすべて室内空間に振り向けることだけが正解ではないと気づく。必要な広さがあって、気持ちよく走れて、停めてある姿を見てちょっと嬉しい。
そんな軽があってもいい。
「あえてN-BOXを選ばない」というより、「自分にはN-ONEのほうが合っている」。そこまでたどり着けば、“軽は広いほど偉い”なんて価値観は、案外どうでもよくなるのである!
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