暑い夏、エアコンをつけたのに後席の子どもから「まだ暑い!」と言われた経験はないだろうか。そんな悩みを解決するのが、日産ルークスの天井に設けられた「リヤシーリングファン」だ。軽自動車なのに天井に専用ファンとは、ちょっと大げさ? いやいや、これが実に理にかなった装備なのだ。その仕組みと効果を解説しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、日産
【画像ギャラリー】N-BOXにもナシ!! このサーキュレーターが効くんですマジで(6枚)画像ギャラリー広い室内だからこそエアコンの風が後席に届きにくい!
2025年10月に発売された現行ルークスの室内高は最大1400mm。軽自動車ながら、小さな子どもなら立って着替えられるほどの大空間が自慢だ。
しかし、この広さは空調にとって必ずしも有利ではない。
一般的な乗用車のエアコン吹き出し口はインパネにあり、前席の乗員に向けて冷風や温風を送る。もちろん時間が経てば室内全体の温度も変化するが、前席と後席では快適になるまでの時間に差が生じやすい。
特にルークスのような背の高いクルマは、室内の容積が大きいうえに窓の面積も広い。真夏には直射日光によって車内が熱くなり、後席まで十分に冷風が行き渡るのに時間がかかることがある。
だからといってエアコンの風量を強くすれば、前席ばかりが寒くなってしまう。運転席のお父さんは寒いのに、後席の子どもはまだ暑い。そんな困った状況も起こり得るのだ。
そこで活躍するのが、天井に設置されたリヤシーリングファンである。
これは後席の乗員に向けて風を送る小型の送風装置。前席のエアコンで冷やした空気を後方へ送り、室内の空気を循環させることで、車内の温度ムラを抑える役割を果たす。
ポイントは、ファン自体が冷たい空気を作るわけではないこと。あくまでエアコンの効きを助ける装備であり、独立した後席用エアコンとは異なる。
つまり、エアコンの能力をむやみに大きくするのではなく、作った冷気を効率よく室内に行き渡らせるという考え方なのだ。
風量は3段階! 冬の暖房にも効果を発揮する
リヤシーリングファンの操作はいたって簡単。天井に設けられたレバーで、風量を3段階に調整できる。
夏の暑い日は強めに、室温が安定したら弱めにするなど、状況に応じて使い分けられる。日産の取扱説明書によれば、前席の中央エアコン吹き出し口を上向きにすると、後席に風を送る効果がさらに高まるという。
そして意外に見逃せないのが、冬場の暖房時にも役立つことだ。
暖かい空気は上昇しやすいため、天井の高い室内では温度ムラが生まれやすい。リヤシーリングファンによって空気を循環させれば、後席にも暖かさを行き渡らせやすくなる。
もちろん、ファンは夏も冬も万能というわけではない。車内が十分に冷えたり暖まったりしていなければ、送られてくる風も快適とは限らない。それでも、前後席の温度差を小さくするという点で大きな意味がある。
このリヤシーリングファンは、メーカーオプションの「快適パック」に含まれる装備だ。
快適パックには、プラズマクラスター技術搭載オートエアコンや後席用ロールサンシェード、パーソナルテーブル、USB Type-C電源ポートなども含まれる。
なかでもロールサンシェードは、後席への強い日差しを和らげる効果があり、リヤシーリングファンとの相性もいい。後席の快適性を総合的に高めようという狙いが伝わってくる。
ちなみに、天井から後席に風を送るというアイデア自体は新しいものではなく、先代ルークスや、その前身となるデイズルークスにも採用されていた。日産が長年大切にしてきた、いわば伝統のおもてなし装備なのである。
家族みんなが同じ室内にいても、暑さや寒さの感じ方はそれぞれ違う。だからこそ、前席だけでなく後席にも気を配ることが重要なのだ。
たかが天井の小さなファン、されどファン。ルークスのリヤシーリングファンは、家族の快適性を考えた、実に賢い装備なのである。
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