【これは珍なり】 自然災害への切り札「レッドサラマンダー」の実力、価格、配備理由

■本当は活躍する場面がないことがベストだが

 なぜ、このレッドサラマンダーが愛知県岡崎市に配置されているかというと、「岡崎市が日本のほぼ中央に位置しているため、東日本、西日本のどちらにも移動しやすいこと。それに消防署自体が高速道路に近かったことが理由です」(同市消防本部)とのことで、仮に南海トラフ巨大地震が発生しても津波災害の恐れがないことも配備の理由となったらしい。

 このレッドサラマンダー、4年前に配備されてから今回の九州北部豪雨が初めての救出活動への出動となった。

 気象庁が福岡と大分両県に対して大雨特別警報を出した2017年7月5日に即日岡崎市を出発し、7日から災害現場となった大分県日田市や福岡県朝倉市で救助活動をスタート。孤立した集落での住民の安否確認、機材や資材、それに消防隊員の搬送などを主業務として実施したとのこと。

 九州北部豪雨災害のような特別災害のほか、9月以降は本格的な台風シーズンを迎える日本列島。本当は(どれだけ高価であろうとも)配備以降一度も使用されないことがベストなのだが、しかしそうも言っていられない実状もある。

 「備えよ常に」。レッドサラマンダーが活躍する場面には、(訓練を除き)いつも誰かの被災がある。それでもその被害を少しでも減らすため、今後も活躍してほしい。

【レッドサラマンダー 主要諸元】

  • 全長8200×全幅2200×全高2600mm
  • 車重12,000kg
  • 総排気量7240cc
  • 乗車定員10名
  • 最高速度50km/h
  • 最大乗り越え段差600m
  • 最大溝乗り越え幅2000mm
  • 最大登坂能力50%
  • 車両本体価格1億1000万円

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