他チームへの供給も可能性薄!? ホンダとマクラーレンが別れない理由
ザウバーの解約を契機に、トロロッソへの供給やウィリアムズへの供給が話題となったが、どちらも各チームから真っ向否定されている。
しかし、この否定が本当かどうかは別の話だ。というのも、マクラーレンは、トロロッソが搭載するルノーPUの権利を得て、トロロッソにはホンダがPUを供給。
そして、マクラーレンに対するホンダの資金をトロロッソへと導入すれば、資金不足のトロロッソは潤い、レッドブル本体もトロロッソへの資金を削減できる。
トロロッソはレッドブルの“Bチーム”、若手育成チームだから、パフォーマンスそのものは強く求められない。
実際、イタリアGPではルノー、マクラーレン、そしてFOM(F1の運営を行う統括団体)との間で会合が持たれている。また、現状ならトロロッソのマシン作りはなかなかのものだ。
それでも実現にはかなりの無理がある。マクラーレンとしても“ホンダディール”を離す事はできないのが現実だ。
他のパワーユニット供給を受けるなら、それ相応の供給料を払わなければならない。それに一億ドルと言われる、パワーユニット以外のホンダ資金も閉ざされてしまう。
現在のマクラーレンはホンダとの『別離』と言うオプションは存在しないはず。もちろんマクラーレン側は、ホンダなしでも資金的に問題ないと言い切っているのだが……それはホンダが辞めると言えば、違約金が入る可能性が高いからだろう。
“辛口”なアロンソもホンダF1の今後を左右する?
問題はドライバーのフェルナンド・アロンソだ。マクラーレンはどうしてもアロンソを手中に収めて置きたいようだ。
ホンダPUを捨て、メルセデスやルノーPU搭載を願っているのはアロンソ本人だとさえ言われている。ところが、もはやアロンソもマクラーレン以外の道はなくなっている。
本当を言えば、現在のマクラーレン・ホンダの実力に対して、アロンソは過分なドライバーだ。
アロンソは素晴らしいドライバーだが、勝てないチームの開発ドライバーにはまったく向かない。マクラーレンがアロンソを確保したいのは、チームの成績ではなくチームのマーケティング戦略のためだろうと思う。ホンダがドライバーを選ぶ権利はないらしいが、アロンソを捨てる算段も必要かも知れない。
2018年への不安を払拭できるのはホンダ自身
しかし、本当の問題はアロンソでもマクラーレンでもないはず。一番大きな問題はホンダ自身の考えだ。
ホンダが今後の方針を真正面から押し出せば、問題は一気に解決するはずだ。2017年のヨーロッパラウンド最終戦を迎えてもなお2018年への計画を正式に発表できないでいるのだから。
“来年も100%参戦を続ける”の公式発表であらゆる噂を一蹴しないかぎり、現在の渾沌から抜け出すことはできない。マクラーレンが一番恐れているのは、ホンダの撤退があれば、来期のPUがなくなってしまうこと。その恐怖がルノーとの話し合いに繋がっているはずだ。
また、FIAもホンダの撤退は望んでいない。メーカーの撤退はF1にとって実にネガティブな現象で、他のメーカーの参入を妨げることにも成りかねないからだ。
この記事を書いている時点でホンダはまだ声明を発表していない。というより、本来なら声明などいらず、「F1継続!」の一言でいいのだが……。
「F1に長期に渡って参戦を続ける」と言い放った出だしの言葉……ホンダのその言葉を、我々は信じたいのだが……。
■F1 2017 コンストラクターズランキング
- 1位 メルセデスAMG/435pts
- 2位 フェラーリ/373pts
- 3位 レッドブル/212pts
- 9位 マクラーレン・ホンダ/11pts
- 10位 ザウバー/5pts
- ※第13戦イタリアGP終了時点
コメント
コメントの使い方