■続々と車種リストラ……しかしそれは国内販売維持のため
さらに気になるのは車種の整理。「セダンを中心に整理」とあるが、具体的にはどのような車種がリストラされるのだろうか。
遠藤氏によると、「レクサスとセンチュリーは別格なので手を付けないそうですが、それ以外のセダンはクラウン、カムリ、カローラアクシオの3車種に絞って、残りはすべてこのモデルに統合してゆく方針のようです」とのこと。
つまり上記以外のセダン、クラウンマジェスタ、マークX、プレミオ/アリオン、SAIは整理対象ということか。
「それだけではありません。これまでは車名を変えていた系列ごとの姉妹車戦略は縮小していくことになりますから、ポルテ/スペイドはどちらかひとつに、ルーミー/タンクもどちらかひとつになるでしょう。
現在のルーミー/タンクの好調ぶりを考えると、ポルテ/スペイドごとルーミー/タンクに統合される可能性もあります。
またアベンシス、アイシス、ウィッシュも整理されていく見込みです(FJクルーザーは生産中止がアナウンス済み)。エスティマ、ランクルプラドは今後の売れ行き次第といったところでしょうね」(遠藤氏)
な、なるほど……。
「大幅な車種の整理」と聞くと「そんな……ご無体な……」と思ってしまうが、車種名を聞くと確かにどのモデルも販売台数は苦戦しており、次期型の開発ニュースが聞こえてこない。今回の車種整理は、来たるべくして来た未来、ということだろうか。
■ラインアップはたくさんあってほしい。しかし……
それでも、多くの車種ラインアップは「自動車文化」が豊かな証拠のひとつ。不人気車とはいえそのクルマを愛する人は多い。
トヨタは業界の盟主として、多くの車種を抱え続けてきた。だからこそトヨタも今回の車種整理に関して、「2025年ごろ」とかなり時間をとってゆっくりと整理していく目論見なのだろう。
昨年(2016年)のトヨタの国内販売台数は約160万台。1990年代には250万台を記録したから、だいぶ痩せ細ってしまってはいる。
それでもトヨタは、2020年代であっても「国内生産300万台、国内販売150万台(レクサス含む)を維持する」という目標を掲げている。
雇用と販売を守りつつ、クルマ好きの文化も守ってほしい。贅沢な願いだとは思うが、お金がなければ文化は守れない。トヨタにはたくさん儲けてもらって、日本市場のクルマ文化をできるだけ守ってほしい。
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