海外のモーターショーには、実は“日本では売られていない日本車”が数多く出展されている。
11月26日まで開催された中国・広州モーターショーで、日本メーカーのブースに行くと、そうした海外専売車を見ることも多く、これがなかなか面白い。そこで本記事では、中国で見た2台を筆頭に、4台の海外専売車を取り上げてみたい。
文、写真:永田恵一
懐かしのレビンはターボ&マニュアルもある
中国では日本の車好きには懐かしいレビンが販売されている。
といっても、かつてのレビン/トレノのようなエントリーユーザー向けの2ドアクーペではなく、中身は欧米で販売される3ナンバー幅のカローラをベースにした欧州流にいうとCセグメントに属する4ドアセダンだ。
「オーリスの4ドアセダン」と考えればわかりやすい。機能面はプラットホームを共通するオーリスや先代プリウスに近く、パワートレーンはメインとなる1.2L、4気筒直噴ターボ(最高出力116馬力&最大トルク18.9kgm)、上級グレードとなる1.8L、4気筒NA(最高出力140馬力&最大トルク17.6kgm)。
そして燃費23.8km/Lの1.8Lハイブリッドの3つで、トランスミッションはCVTに加え、1.2Lターボには6速MTも設定される。
中国は輸入車に対する関税が非常に高く、価格競争力を持つには現地生産が必須。中国の自動車メーカーと合弁会社を作る必要があり、トヨタは広州汽車と第一汽車と手を組んでいる。
カローラのように売れる車はどちらも欲しいのは日本も中国も同じで、簡単に言えば日本でカローラとスプリンターがあったように、中国では一汽トヨタのカローラと広州トヨタのレビンがあるのだ。
“ちょい大きい”ノート級サイズのヤリス「L」
中国で販売されるヴィッツは欧州と同様のヤリスの車名で、「L」が示すようにボディサイズは日本のヴィッツよりホイールベースが40mm、全長は215mm拡大され、キャビンとリアオーバーハングが長い分でラゲッジスペースが広い。
エンジンは1.3L、4気筒NA(最高出力99馬力&最大トルク12.5kgm)、1.5L、4気筒NA(最高出力107馬力&最大トルク14.3kgm)の2つで、トランスミッションはCVTに加え5速MTも設定される。
広州トヨタで販売されるヤリスには4ドアセダンもあり、一汽トヨタでもカローラとレビンと同じような関係のヤリスLの兄弟車となるヴォイスが販売されており、ヴォイスにも4ドアセダンと5ドアハッチバックのヴォイスFSが設定される。
日本で販売されるトヨタのコンパクトカーには日産ノートやホンダフィットのような「スペースを重視したハッチバック」がないことを考えると、日本に導入すれば案外需要はあるのかもしれない。
コメント
コメントの使い方