■そのほかにも積んでおきたいもの、救援待ちの心得
スタッドレスタイヤでも夏タイヤでも、冬の寒冷地を訪れるならタイヤチェーンも忘れてほしくない装備のひとつだ。
チェーン規制が敷かれると、スタッドレスタイヤでも走行不可になる道路もある。それに完全に凍った坂道などはスタッドレスタイヤでもほとんどグリップしない場合がある。
タイヤに被せる布製チェーンやタイヤ表面に粘着力を与えるスプレー式のケミカルもあり手軽だが、氷雪路での走破性は金属チェーンには敵わない。こういう時のために安い金属チェーン(できれば亀甲型)を積んでおくと安心だ。
ただし、金属チェーンは舗装路での耐久性が低く、走行中に切れてしまうとボディを傷付けてしまうことになるので、基本はスタッドレスを履き、金属チェーンは応急用と考えておこう。
寒冷地での立ち往生は、スタックだけとは限らない。気温の低下によるバッテリー上がりも大いにあり得る。リチウムイオンバッテリーを内蔵したジャンプスターター、もしくはブースターケーブルを積んでおくと、こんなハプニングに遭っても安心だ。
これまで紹介した装備を搭載していても、自分たちだけでは脱出不可能なこともある。考え方としては、まず自分たちで脱出に挑戦して、何度か試してダメなら諦めて救援を呼ぶことだ。そして車内で救援を待つ間にも、持っているアイテムで別の脱出方法を考えたり、体力を温存することを心がけよう。
車内で救援を待っている間にも、あると便利なモノはある。エンジンが掛かるならヒーターは使えるが、長時間となると燃料切れの心配も出てくる。作業用の古毛布とは別に、応急用のコンパクトな毛布など身体を暖めるものを搭載しておきたい。
スマホの電池切れも救援待ちでは死活問題になる。ちょっと大きめのモバイルバッテリーを搭載しておき、走行中に充電しておくと、何かと便利だ。
■毎冬死者も… 立ち往生で要注意の除雪ポイント
救援を待つ間は、エンジンを掛けて暖房を使っている間は換気に注意しよう。基本は空調を外気導入にして、少しだけでも窓を開けておく。マフラー出口付近を雪が塞がないよう、時々降りてチェックや除雪をすること。排気ガスに含まれる一酸化炭素が車内に入ってくると、中毒死する危険性がある。
閉めっきりで内気循環にしていると二酸化炭素濃度が高まり、これも眠気を誘う。結果として車内に一酸化炭素が侵入しても気付かずに危険な環境になることになってしまうので、寒くても換気とマフラー出口の確保だけは忘れないようにしよう。
■スタック&立ち往生した時に覚えておきたい注意点、持っておきたいアイテム
・折りたたみスコップ(シャベル)、脱出用プレートやラダーを積む
・けん引ロープを積む
・スタッドレスタイヤでも厳しい路面があるので、緊急用に金属チェーンを常備
・バッテリー上がり対策に、リチウムイオンバッテリーを内蔵したジャンプスターターや、ブースターケーブルを常備
・応急用のコンパクトな毛布など身体を暖めるものを搭載する
・立ち往生したら一酸化炭素中毒にならないように、マフラー周辺の雪をこまめに除雪する
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