■国費モノパトカーには厳密な仕様書がある!!
警察庁がパトカーを購入する際には一般入札に際して仕様書が提示される。『無線警ら車』の仕様書では以下のような仕様が求められている。
●4ドアセダンであること
●排気量は2500㏄級以上であること
●ブレーキは四輪ディスクブレーキ同等以上でかつ、アンチロックブレーキを装着していること
●乗車定員5名以上
●前席の座面から天井までの高さは900㎜以上であること
●シートは当庁の定めるビニールレザー等の耐水性、耐久性の高い素材であること
●後席部はセンターアームレストがないもので等で当庁の承認を受けたものであること
●フロントフォグランプを装備すること
●トランクルームは床面が概ねフラットなものであり、容量が450L以上であること
●トランクは約1万回の開閉に耐える構造とすること
●屋根には昇降装置付き警光灯を装備するため、必要な補強をすること
……etc.
ここに紹介したのはほんの一部だが、細かく厳密な「仕様」が求められていることがわかる。いうまでもなく、クラウンパトカーモデルは、これを満たした内容で型式指定を受けており、量産が可能な体制を敷いているのだ。『交通取締用四輪車』では排気量が3000㏄以上の使用が求められている。
従来の慣例に従えば、まもなく現行型S220系のマイチェン後モデルをベースにしたパトカー仕様が登場し、最低でも今後4年間、つまり2025年ごろまでは増備されることになる。おそらく、そうなるであろう。
■現行型クラウンは2023年にBIGチェンジして継続生産か⁉
ベストカー本誌スクープ班がつかんでいる情報では、前述のように、次期型クラウンはクロスオーバタイプの新車系モデルに生まれ変わる、というものであると同時に、4ドアセダン需要に応えるため、現行型S220系をビッグマイチェンして継続生産する、というものがある。時期的には2023年6~7月ごろが有力だ。
こうなると、ビッグマイチェンモデルのさらに後期型となる2025年モデルがさらにその先のパトカーモデルになるという流れができる。つまり、クラウンパトカーは今後8~10年は安泰、と考えられる。
そのいっぽうで、トヨタがクラウンをパトカーモデルとして継続しない、という可能性も考えられる。その場合、最有力候補となるのが「カムリ」だ。前出の「仕様書」にも充分対応できる素性を持っているし、現に警視庁による独自導入の実績もある(しかも交通取り締まり用の覆面)。逆にみれば、警視庁の導入は、今後の国費モノ導入のための試験的導入とみることもできる。
『交通取締用四輪車』としては過去に日産「R32スカイラインGT-R」、三菱「GTO」、マツダ「RX-7」などの2ドアスポーツモデルが国費モノとして導入されたこともあるが、ここ近年では見られない。比較的少数派ではあったがトヨタ「マークX」の覆面仕様が国費モノとして導入されたが、マークXはすでに生産を終了している。
クラウン以外の『無線警ら車』はスバル「レガシィB4」の導入実績があったが、B4もすでに生産を終了しており、警察庁が示す仕様を満足するとなると、マツダ「マツダ6」や日産「スカイライン」などが可能性としてはあるものの、実際問題としてみれば継続生産されるクラウンかカムリという選択肢になるというのが現実的だろう。
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