次期型クラウンがこれまでの4ドアセダン型ではなくSUVになるというニュースが昨年末、突如として駆け巡った。当然、ベストカースクープ班もこの情報の真贋を掘り下げて、本誌1月10日号でお伝えした。
結論から言えば、「フルモデルチェンジによる“次期型クラウン”は、従来のような4ドアセダンではなくなる可能性が高い」というものであり、さらに、「それはFFプラットフォームのGA-Kプラットフォームを活用した、新たなカテゴリーの車形になる」との情報に至った。
つまり、「次期型クラウンはSUVになる」との話は、完全正解ではないまでも、極めて確度の高い情報だ、ということだ。
こうなると、全国各地で活動するパトカーはどうなるのか? という心配(?)が沸き上がる。パトカーと言えばクラウンだ。数年後のパトカーはSUVタイプのクラウンになっていくのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部
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【画像ギャラリー】パトカーはセダンであるべし? 街や高速道路でおなじみのパトカー画像集
■全国一括購入のパトカーには事実上クラウン一択!!
ひと口にパトカーと言ってもいろいろあるが、一般的にパトカーと言って思い浮かべるのはクラウンだろう。これは専門的には 『無線警ら車』というカテゴリーに属する。各地の警察本部や所轄署に配備され、パトロールや事件、事故発生時に現場に駆けつけるパトカーだ。
そしてもうひとつ、ドライバーにとって頼もしくもあり、時に“厄介な”存在となるのが『交通取締用四輪車』とカテゴライズされるパトカーだ。交通機動隊や高速隊に配備され、もっぱら交通取り締まりに使用されるパトカーだ。こちらには『交通取締用四輪車(反転警光灯)』とされるカテゴリーがある。いわゆる覆面パトカーだ。
いずれも全国で圧倒的多数派を占めるのがトヨタ「クラウン」だ。以前は日産「セドリック」もパトカーの代表的車種だったが、セドリックの後継車となる「フーガ」はパトカーとして採用されていない。
この全国配備されるパトカーは警察庁が一般入札により購入し、全国の警察本部に配分する。“国費モノ”と呼ばれるものだ。これに対し、都道府県の予算で独自に購入するパトカーもあり、こちらは“県費モノ”と呼ばれる。警視庁のトヨタ「マークXスーパーチャージャー 覆面パト」やトヨタ「カムリ 覆面パト」、日産「フェアレディZ NISMOパトカー」、埼玉県警のスバル「WRX S4覆面パト」などがこれにあたる。県費モノは導入台数が少なく、個々にパトカー仕様に改装して納入するなどの対応が可能で、独自の車種が選定されることもしばしばある。
一方、国費ものは年度ごとに500~1000台と購入台数が多い。こうなると個々の改装では対応ができない。そう、クラウンにはパトカー専用のグレードが設定されており、型式指定を受けているのだ。ちなみに『無線警ら車』は「DBA-GSR210-AETRH」、『交通取締用四輪車』は「DBA-GSR214-AEZRH」、 覆面仕様は「DBA-GSR214-AEZKH」 という型式が与えられている。
以前のセドリックにも同様、パトカー専用モデルが存在していたため、国費モノに対応できたのだ。クラウンパトカーには専用のカタログも用意されているのだ。
現在のクラウンパトカーは先代型S210系だ。これまでの各世代クラウンパトは、モデルチェンジから2年を経たマイチェン後のモデルがパトカーモデルとなっている。ベースモデルに対し2年のずれがある。その理由の詳細はわからないが、極めてハードな使用条件にさらされ、かつ、任務中の車両トラブルを避けなければならないパトカー仕様は、熟成が進んだマイチェンモデルをベースにする、という考えがあるのかもしれない。
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