コロナ禍の今だからもっと真剣に考えたい「クルマの換気」 【水野和敏が提言!!】


■車内換気にも空力が関係する

 一方、車室内空気の排出は、セダンの場合、リアウィンドウ後端、リアパーシェル部のガラスとの隙間からトランク内の内張り(トリム)の裏側を抜けて、リアバンパー横にある排気口(ドラフター)から車外に排出されます。ドラフターはゴム製シャッターのついた簡単な排気口です。

 ここでも空力は大事で、リアバンパー横に整流を持つ“空力のいいクルマ”は、速い風の流れが作る負圧によって効率よく車室内の空気を吸い出してくれるのです。つまり、空力のいいクルマは、フレッシュエアの取り入れも、車室内空気の排出もよく、換気性能に優れるのです。エアコンなしのクルマも多い欧州では重要な性能です。

■空力がいいクルマは車内も快適に

 ところで、リアウィンドウの内側は汚れが付着しますが、これは車内の空気の流れが理由です。走行中の空気の流れでガラスには静電気が発生します。また室内の空気はこのリアウィンドウ沿いを流れて排出されるので、車内の汚れ粒子がウィンドウ内側に付着するのです。

 また、空力のいいクルマで外気導入モードとしていると、排出される車室内空気よりも取り入れるフレッシュエアが多く、車室内は1.1気圧程度に上昇します。

 この場合車内の圧力は外部より高いので、少し窓を開けても冷たい外気は入らず、車内の空気が勢いよく排出されすばやく換気できます。

 逆に内気循環モードの場合、外から入る空気がないのに、排気口から車内空気が排出されるので、車室内の気圧は下がります。この状態で窓を少しでも開けると冷たい外気が入り込み、換気もあまりされません。

次ページは : ■風向調整で換気能力は大きく変わる