かつてエコカーの代名詞として脚光を浴びたアイドリングストップ機能。CO2削減の流れに乗って普及が進んだが、再始動を電気に頼る構造上、バッテリーへの負担が大きく「すぐ上がる」「交換費用が高すぎる」と不満の声が相次いだ。今さら聞けないアイドリングストップの功罪と、いますぐできる対策を紹介しよう!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=HENADZY@Adobestock)、Fun Standard
【画像ギャラリー】ハスラー用のアイドリングストップキャンセラーを詳しく見て!(18枚)画像ギャラリーそもそもアイドリングストップとは何か? 普及した背景
アイドリングストップとは、信号待ちなど一時停車時にエンジンを自動的に停止し、発進操作に応じて再始動する機能だ。エンジンが止まっている間は燃料を消費しないため、市街地走行での燃費向上と排出ガスの削減が期待できる。
この機能が本格的に広まったのは2010年前後。自動車業界全体でCO2削減が急務となり、各メーカーが燃費規制をクリアする手段として相次いで採用した。カタログ燃費の数値を底上げできることもあり、軽自動車からコンパクトカー、ミニバンに至るまで、あっという間に標準装備が当たり前になった。「エコな機能=つけて損なし」という空気がクルマ業界全体に広がっていた時代だ。
メリットとデメリット、正直なところどうなのか
メリットは明快だ。停車中にエンジンが止まることでCO2の排出が抑制され、環境負荷の低減につながる。渋滞の多い都市部では燃費改善の実感も得られやすく、アイドリングストップに対応した走行モードではカタログ燃費の改善に直結する。
しかし、デメリットも無視できない。最大の問題はバッテリーへの過大な負担だ。通常の走行であれば1日のエンジン始動は数回程度だが、アイドリングストップが作動すると1日に数十回から100回以上の始動・停止を繰り返すことになる。こいつがバッテリーの寿命を縮めることにもなり、「2〜3年でバッテリーが上がった」という声が急増した。
交換費用も痛い。アイドリングストップ非対応の一般バッテリーと比べ、対応バッテリーは価格が2〜3倍になることも多く、維持コストの増大が実燃費のメリットを帳消しにしてしまうケースも珍しくない。くわえて、再始動時のわずかなもたつきや振動、停車中にエアコンの風量が低下する不快感も「使い勝手が悪い」と感じるドライバーを増やした。
最近アイドリングストップが話題にならない理由
2020年代に入り、アイドリングストップを廃止するメーカーが増えてきた。その主な理由はエンジン自体の環境性能の向上だ。燃焼効率の改善や気筒休止技術の進化により、アイドリングストップに頼らなくても十分な低燃費・低排出を実現できるようになってきたのだ。
トヨタは2020年のヤリスでアイドリングストップを廃止、マツダやホンダもこれに続いた。「バッテリーの負担増というデメリットを抱えてまで搭載する意義が薄れた」というのが各社の判断だ。電動化が進むHEV(ハイブリッド車)やBEV(電気自動車)では、そもそもアイドリングストップという概念自体が不要になる。かつてエコの象徴だった機能が、静かにフェードアウトしつつある。





















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