アルピナはBMW「M」とどこが違って何が良いのか!?? 激賞の走りは何が凄い??


■M3ではここまでの乗り心地と静粛性は望めない

日本でも間もなく導入予定の新型M3。極限のスポーツ性に特化しているがゆえ、逆にいえば乗り心地と静寂性はアルピナ B3が優勢となる

 試乗会場となったのは福島県有数のワインディングが存在する裏磐梯。まず、走り始めて感じたのが室内の静粛性だ。いわゆる素の3シリーズにも試乗しているが、ここまで静粛性は高くない。

 さらに、乗り心地も非常に快適でバネ下の軽量化を目的に新しく開発された20本スポークの20インチ鍛造アルミホイールを履くが、エアボリュームの少ないタイヤなのにお尻への角張った突き上げが皆無。

 19インチ(鋳造)ホイールも用意されるが、逆に20インチの乗り心地に好感が持てる。裏磐梯の路面は寒冷地特有の路面の荒れが多く、乗り心地評価にはアゲインストな環境だが、B3のブッシュ類やサスペンションそのもののコントロールが優雅で高級車そのもの。

 M3ではここまでの乗り心地と静粛性は望めない。その代わりにサーキットでの限界域性能に長けているわけだ。

 ではB3の限界特性はどうなのか? まずB3には現行3シリーズと同じ電子制御の減衰力可変ダンパーが採用されている。もちろんその減衰力特性もアルピナ社による手が入れられている。前段に触れた乗り心地も専用ダンパーマネージメントによるところ大なのだ。

 ドライブモードをスポーツ+に設定するとダンパーがハードになり腰がしっかりとする。しかし、予想したほど硬くはならない。突っ張り感はなく路面の凸凹をなぞるように吸収し、ロールのスピードをほどよく制御する。

 ステアリングを切ったときの応答感は素早いが、おもむろにノーズが向きを変えることはない。切り足していくにしたがって深い操舵角まで正比例に曲がり込む。実にわかりやすい。

 高い速度からブレーキングで前荷重、ブレーキを少し残しながらコーナーに飛び込んでみる。リアの安定感がスバラシイ! B3のAWDは、現行3シリーズのxDriveをベースにし、リアにLSDを採用。さらに、トルク配分をよりリア寄りにコントロールするセットだ。

 AWDの場合、タイトコーナーなどで深いステアリング操作をおこなうと、どんどんアンダーステアが顔をのぞかせるものだが、そのようなキャラは感じられない。リアは安定して粘っているがおせっかいではない。とにかく前後のグリップバランスが素晴らしく、限界レベルでも心拍数はさほど上昇しない。

■アルピナは「速いだけでなく快適性&安全性を高次元で備えたモデル」

思わず快哉を叫びたくなるリアの安定感が特長のアルピナ B3。不快な突き上げなども皆無だ

 だからといってスポーツモデル的見地からつまらないのか? というとまったくそんなことはなく、とても快適なキャビンからドライブする自分を俯瞰的冷静に眺めているような錯覚に陥った。ガンガンに攻めたがブレーキも音を上げることもなく、耐久力にも感心。8速ATでも素早いシフトは最後まで変化もない。

 速度無制限エリアのあるアウトバーンが存在する母国ドイツでは、時間は金で買える、と聞いたことがある。高価なハイパフォーマンスカーを購入すれば移動の時間を節約することができるというわけだ。日本の高速道路も120km/h時代を迎え、高速域での安全性が問われる時代になった。

 B3はただ速いだけではなく、その快適性と安全性を高次元で備えたモデル。その対価としての1229万円は決して高いとは思わない。それほどに高質な完成度を持っている。

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