あれはなんだったのか!? トヨタ86シリーズの超絶異端児! 「86“style Cb”」を振り返る

■カスタマイズのお手本にもなった86Cbという存在の意義

まろやかなボディラインは、角度によっては往年の名車2000GTを思い起こさせる
まろやかなボディラインは、角度によっては往年の名車2000GTを思い起こさせる

 また、クラシック路線を追求したスタイルは、エアロパーツメーカーをはじめとするサードパーティに影響を与えた。86“style Cb”が初めて姿を現したのが、2013年の東京オートサロン。

 86“style Cb”は続く2014年にも展示され(この時はオープンモデルも展示)、その後、市販化に進んでいったが、2014年以降、サードパーティ各社から86“style Cb”と近いコンセプトの86やエアロパーツが登場したのは無関係ではないだろう。フェンダーをLEDで光らせたのも大きなインパクトがあった。

 似たようなことはユーザーのカスタマイズにも言え、86“style Cb”は標準車オーナーの2トーンルーフ化のお手本になった。

 当時はちょうどラッピングによるカスタマイズが流行り始めた頃で、86“style Cb”は単純にAピラーとルーフを2トーン化するのではなく、フェンダー上部からキャビンの下側を縁取るようにラッピングし、トランクも同色にしていた。

 このまとまりの良いデザインが、トレンドに敏感なユーザーたちのアンテナに引っかからないはずはない。86“style Cb”がカスタマイズシーンに与えた影響は少なくないだろう。

■86の歴史に刻まれるべき「優雅さ」を持った一台

リアのラインは通常の86の面影を色濃く残している部分だ
リアのラインは通常の86の面影を色濃く残している部分だ

 さらに、希少価値の高い86として、後世に受け継がれていく可能性もある。

 86の9年にわたるヒストリーを振り返っても、ヘッドライトの形状を変えたトヨタ純正の86市販車はこれだけ。中古車サイトで検索してみても流通量は10台前後と非常に少なく、今後プレミアがつく可能性も否定できない。GRMNやGRなど、バリバリの体育会モデルに疲れてしまった人の次の86としてもありだろう。

 こうして深堀りしていくと、86“style Cb”には86カルチャーをスーパーサブとして支える狙いがあったのではと思えてくる。そう考えると、86がデビューしてわずか3年後に発売になったことも合点がいく。

 ちなみに2016年には後期型が登場。後期型の86“style Cb”の登場も期待されたが、デビューはなし。86“style Cb”は短命に終わっている。

 86“style Cb”は86の王道ではないが外道でもない。86の盛り上げを担った、重要なキャストの1人(1台)だったと言えるだろう。

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