■速度取り締まりは逃げ切れる?
Q.覆面パトカーがサイレンを鳴らされて追いかけてこられても、止まらずにずっと走って県境や管区(?)を越えれば逃げきれるものなんですか?
A.これはもう、完全に都市伝説。県境を跨ごうがなにしようが、その気になればどこまででも追いかけてきて検挙する。
そもそも警察の捜査権は「犯罪が現に行なわれた場所」によって決まるため、例えば国道15号線上りの神奈川県内で速度違反が現認され、神奈川県警のパトカーに検挙されるという場面で、そのまま多摩川を渡って東京都に入ったとしてもその捜査権は神奈川県警が持っている。
昨今では逃げる違反車が無謀運転で他車や歩行者などを巻き込む重大事故に発展する危険性があるため、ある程度追尾しても停止命令を無視して逃亡を図る車両については深追いしない傾向。
とはいえもちろん逃げドクなのではなく、記録画像などを元に後日検挙する。飲酒や薬物などが疑われる場合は、都府県系の枠を超えて連携して先回りして現行犯で検挙するということも行われている。
高速道路については、都府県境を挟むインターチェンジ間を隣接する都府県系同士が共同管轄としている。例えば東名高速の大井松田〜御殿場間であれば神奈川県警と静岡県警が相互に乗り入れて管轄としているという具合。
■「ネズミ捕り」(一般道での突発的な速度取り締まり)ってまだやってるの?
Q.最近、一般道での「ねずみ捕り」を見かけません。まだ一般道での速度取り締まりってやってるんでしょうか?
A.都内だと光電管式のネズミ取り、東京以外だとレーダー式が主流だけど、いわゆる「ネズミ捕り」はいまも各地で積極的に実施されている。
ただし、「ネズミ捕り」はある程度の人員と違反車両を停止させる場所などが必要なため、実施できる場所が限られてくるということがあり、どうしても大がかりになるため頻度は減っているのは事実だ。
人員と時間をかけてネズミ捕りを仕掛けるよりも、白バイや覆面パトを巡回させた方が効率的に取り締まりを実施できるという考え方である。
エリアごとにネズミ捕り定番スポットというものがあり、地元のクルマは知っているから速度をセーブして走る。それまでわりと飛ばしていた地元ナンバーが急におとなしくなったなら、“それぃ!!”と抜かしにかかるのではなく、「ン!? ネズミ捕りスポットか!?」と警戒する洞察力を身につけていただきたい。
都内だったらお台場のMEGAWEB前、「東京湾岸アンダー」というアンダーパス内で休日の午前中はかなりの頻度でネズミ捕りをやっている。
■速度取り締まりをしなパトカーとするパトカー
Q.速度取り締まりって、交通機動隊のパトカー以外にはできない(やらない)ものなんでしょうか?
A.高速道路上であれば、基本的には高速隊のパトカーが専門的に取り締まりに当たっていると考えて間違いない。
では一般道はどうかというと、所轄地域課のパトカーや自動車警邏隊のパトカーも速度取り締まりはやる場合がある。
交番などにあるコンパクトカーのパトカーには速度取り締まり用の計測器が搭載されていないのだが、街でよく見かけるクラウンパトには速度計測器が搭載されている。
一般道で見かけるクラウン白黒パトの場合、ルーフ上の赤色灯が直接ルーフに固定されているのが交通機動隊所属の3.5リッターエンジン搭載モデルで、台座のようなものがルーフに乗っているのが所轄&自邏隊所属の2.5リッターモデル。
交通取り締まり専門の交機にはハイパワーバージョンが配備され、運動性能を重視して赤色灯も昇降装置なしなのだ。もちろん速度取り締まりは得意中の得意だし、隊員はそのために特化した訓練を集中的に受けている手練ればかり。
いっぽう所轄や自動車警邏隊は追尾による速度取り締まりのような高度な技術を要する取り締まりには少々及び腰というのがホンネ。
交通違反については信号無視や一時不停止、黄色線またぎなどの違反検挙に重点を置いている傾向はある。ただし、定期的に異動のある警察。所轄パトの乗務員にも元交機隊員だって当然いる。
警視庁管内では銀色のハイエースが交通部に配備されていて、いっけん事故処理車や機材運搬車のような雰囲気を見せながら違反車をバンバン検挙しているので要注意。速度取り締まりはしていないようだが、信号無視などは重点的に検挙しているようだ。
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