2023年内をもっての生産終了が発表されたCX-8。もう新車で購入することは叶わないが、中古で購入してもまだまだ「今のクルマを買った」感はある。もし、中古でCX-8を購入するならばどのような年式やグレードがいいのだろうか?CX-8の歩みを振り返りつつ見てみよう。
文:西川昇吾/写真:マツダ
■コストパフォーマンスと高級感に優れる3列SUV
2017年に登場したCX-8。CX-5と基本プラットホームを共有しつつ、よりホイールベースを伸ばして3列シートを装備したSUVとなっていて、マツダの国内ラインアップの中でも最上位モデルであった。
ボディサイズは全長4900㎜全幅1840㎜全高1730㎜で、大柄ながらも、全長5000㎜全幅1850㎜以下のため入れる機械式駐車場が多いのも魅力的なポイントだ。
エンジンは2.2Lディーゼルが主力で、途中から2.5Lガソリンターボと2.5Lのガソリンが加わった。販売当初の価格は3,196,800円~4,190,400円という設定で、内容を考えればリーズナブルな価格設定と言えた。
質感の高いインテリアも好印象で、ディープレッドといった定番カラーの本革内装に加えて、ピュアホワイトの本革内装が用意されているのも印象的であった。また、ホイールベースが長いため2列目の居住性はCX-5よりも高く、大型ミニバンほどではないが3列目の居住性も比較的良好であった。
3列目使用時のトランク容量は239リッターで、床下には65リッターのサブタンクも備えていた。そして3列目を倒せばフラットで広々としたラゲッジスペースが出現する。3列目を使わない人にとってもアリな選択のモデルであったのは間違いないだろう。
■細かな改良も良かった
最初の改良が行われたのは2018年10月、この時に2種類のガソリンエンジンが新たにラインアップに加わったほか、「G-ベクタリング コントロール(GVC)」はハンドルを切るときだけでなく、戻すときの制御も追求した「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」へと進化、衝突回避軽減ブレーキは夜間時の歩行者認知機能が追加されたあたりが、主な改良のポイントであった。
次なる改良は2019年に実施。電動スライドガラスサンルーフや3列目シートの充電用USB端子などの装備が追加されたほか、サブトランクの容量が拡大。
さらに、上級グレードとなる特別仕様車エクスクルーシブモードが追加され、マツダ車で初めて2列目のシートに電動スライド&リクライニング機構やベンチレーション機能が装備された。
2020年末も改良を実施(販売開始は2021年)、ディーゼルエンジンの出力を向上させるとともにトランスミッション制御をアップデート。利便性ではハンズフリー機能付きパワーリフトゲートや置くだけ充電などの装備が新たに用意された。そしてディスプレイサイズも大型化された。
そして2022年には大幅な商品改良を実施した。エクステリアデザインも変更を受けたほか、足回りの見直しを実施しすべての乗員の揺れを軽減して車酔いを低減しながら、ラインとレース性を高めた。またドライブモードにオフロードが追加された。
■新車無理なら中古だけど買うなら?
2022年に大幅改良が行われていながらも、生産終了となったCX-8。買うなら正直新しければ新しい方が良いが、まだまだ値段的にも高く新車価格に近い。
また、2020年末発表の改良モデル以降であれば、やや価格は安くなり中古で購入するのもアリと思える価格感になってくる。モニターも大きいので今どき感を感じることもできるだろう。
注意したいポイントは前オーナーのメンテナンスだ。これはどのモデルにも言えることではあるが、CX-8の場合ディーゼルエンジン搭載車が多いので、オイル交換が他よりも特に重要になってくる。しっかりとオイル交換履歴などが分かり、定期的に交換している個体にするべきと言える。
まだまだ現行車感のあるCX-8。日本でも乗れるサイズ感と3列目も持つSUVは他にはないとも言える存在だ。中古で探してみても満足度は高いだろう。
【画像ギャラリー】いやいや300万円以下でこの内装よ!! やっぱりいいなCX-8!! 狙い目グレードも一挙に(25枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方