■やはりモリゾウ率いるトヨタは凄い
今回の『IS 500 F SPORT パフォーマンス』の登場を聞いた際、2018年のデトロイトショーで、トヨタの豊田社長が「No more boring cars!!(もう退屈なクルマはいらない!!)」と発言した、という件を思い出した。
新型プリウスや新型カムリ(退屈な大衆車の代表例)を発表した直後のことだったので、会場は嘲笑で包まれたそうだが、そのあとトヨタは、『GRスープラ』『GRヤリス』などを世に出した。レクサスも、世界最高峰のハイブリッドをラインアップに並べながらも、今回この5L V8 NAエンジンの新型車を発表。北米にいる、大排気量好きのエンスージアニストたちとの約束を、ちゃんと果たした。
一方で環境問題に真摯に取り組みつつ、しかしいっぽうではその真逆ともいえる大排気量エンジンの新型車も出す。矛盾しているようだが、「時代の流れに乗りながらも、ファンの期待にも応える」という姿勢は、クルマをつくるメーカーとしては矛盾していない。やはりトヨタは凄い。
■日本導入の可能性は高い!!
『IS500 F SPORTパフォーマンス』は、2021年秋頃より北米市場へ導入される予定だという。現時点では日本導入は未発表だ。
LEXUSによると、2020年の全世界販売実績は、71万8715台(前年比94%)、主力車種の『ES』や『RX』の堅調な販売に加えて、2020年秋に販売を開始した『新型IS』や『LS』の好調な販売も貢献したという。主要地域別の販売実績は、北米が約29.7万台、中国が約22.5万台、欧州が約7.1万台、そして日本が約4.9万台、中近東が約2.7万台、東アジアが約3.2万台だ。
北米と中国市場がメインマーケットではあるが、日本市場でもレクサスブランドは確実に浸透していることを考えれば、そう遠くない時期に日本市場にも登場する可能性は高い。
販売価格についてはまだわかっていないが、ISの最上級グレード、3.5L V6の『IS350 ”F SPORT”』の日本での販売価格は、658万4000円~。5.0L V8の『RC F』は1042万円~であることから、『IS500 F SPORTパフォーマンス』を日本で手に入れるとなると、1000万円強になる、と予想される。最近の高級スポーツモデルとしては珍しい価格ではないが、やはりなかなかの高額車だ。
しかし、5L V8エンジンの4ドアスポーツセダンを新車で手に入れられるのだ。スポーツカーは(実用的じゃないから)ダメ!! という家庭でも、4ドアセダンであれば許してくれるかもしれない。
V8エンジンの鼓動を感じられるオーナーさんが、うらやましい。IS500 F SPORTパフォーマンスは、ごく限られたユーザーのみが手に入る、至高の4ドアスポーツセダンだ。
【画像ギャラリー】ボンネットのふくらみはハイパフォーマンスの証。レクサス『IS 500 FSPORT パフォーマンス』を写真でチェック!!
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