工業製品をPRするのに一番効果的なものが「キャッチコピー」ではないだろううか?
シャープがテレビを「世界の亀山モデル」といってみたり、ダイソンの掃除機は「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」といってみたり、記憶に残るものも多いはず。クルマももちろんキャッチコピーがたくさんありまっせ。
「いつかはクラウン」なんて定番のものは皆さんご存じでしょうから、今回は少し笑ってしまうような「ひとひねりした」キャッチコピーなども集めました。
文:近藤暁史/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年4月10日号
■キャッチコピー草創期 1970年代編
日本人の気質なんだろうか? イカしたキャッチコピーを付けて新車を売り出すことが昔は多かった。
「俺たち、カルタス」と、舘ひろしを炎とともに大フィーチャー。かと思えば、「カッコ インテグラ」とマイケル・J・フォックスに語らせる。
一発芸かもしれないけど、こんなクルマなんだなぁ、となんとなく伝わるのも事実。この感覚、日本人ゆえなのか、海外ではダジャレも含めたキャッチコピー命はほとんどなし。多いのはガチンコの比較広告で、逆に我々日本人には違和感ありありだ。
最近では日本車もサラリとしたものが多いが、かつて存在した、きっと一生懸命、頭ひねって付けたであろう、素敵なキャッチコピーを振り返ってみたい。(近藤暁史)
【1970年 トヨタ初代セリカ】「未来の国からやってきたセリカ」
1970年に日本初のスペシャルティカーとして登場したのが初代セリカ。エンジンも含めて装備を好みで選べるフルチョイスも話題になった。それだけに、未来の国からやって来たのだろうが、一体、未来の国とはどんな国なのか?
「未来から」だけ、もしくは「未来の日本」でいい気が……。未来の国が日本だとしても、2018年現在、こういう形のクルマは、あまり走ってない。
【1974年 トヨタ5代目クラウン】「美しい日本のクラウン」
2〜3代目あたりで、すでに日本ならではの高級車を意識したクルマ作りをしていたクラウン。しかし、なぜか4代目クジラクラウンは超革新的なスタイルで登場し、販売的に大失敗。
その汚名返上を狙い、保守を強調したのが5代目で、ロイヤルサルーンが登場したのもこの時。安倍首相かよって、いうくらい前期も後期も「美しい日本」を連呼したけど、クルマはフツーじゃあ……。
【1977年 日産5代目スカイライン】「日本の風土が生んだ名車」
ジャパンという愛称は知っていても、由来を知らない人は多いのでは? ずばり、このキャッチコピーが由来だ。「日本の風土」だなんて、なんでもグローバルな今からすると、だいぶ狙いを絞った感がある。
まぁ、当時のクルマは世界で通用しなかっただろうが。クルマとしては’70年代の排ガス規制真っ只中の登場だけに、あまり見るべきところはなかった。
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