スポーツモデルは走りに特化しているため、乗り心地や実用性、そしてスパルタンなイメージから、なかなか触手を伸ばせないユーザーも多いだろう。
しかし、非スポーツモデル系の“普通の車”でも走りを楽しめるモデルは多い。むしろ、そんな車にこそ常識的なペースで公道を走る際の楽しさがあったり、スポーツモデルとは違った個性を味わえるという魅力もある。
なかでも、無理なく買える非スポーツモデルの優良車にスポットを当ててみたい。
文:永田恵一/写真:編集部
素のグレードも楽しい日欧コンパクト
■スズキ スイフト (159万4080円/RS)
スイフトは、欧州でも販売される世界戦略車なのもあり、2004年に軽乗用車ベースではない純粋なコンパクトカーになって以来、3世代に渡って「乗って楽しい普通のコンパクトカー日本代表」の定番だ。
現行モデルも動力性能や特にハンドリングがシャープであるなどの刺激こそないものの、ザッと900kgという軽さを生かした「スイフト」という車名(=軽快、快速の意味)に相応しい俊敏な動きや、ハンドリングをはじめ全体的に操作通りにクルマが動いてくれ、乗り心地も良好と、乗っていて楽しく、自分のモノとして長期間乗っても飽きることがなさそうなのもいい。
買うなら標準系に対し若干高いが、サスペンションの動きが上質でスイフトの魅力が一層際立つのに加え、グリルもカッコいいRS系を勧める。
■ルノー トゥインゴ(177万円/ZEN)
トゥインゴはターボ車の「GT」はともかくとして、NAエンジン車だと動力性能は軽のターボ車に届かない。
インテリアなどクオリティが高いわけでもなければ、キャビンやラゲッジスペースが広いわけでもないと、「いいクルマですか?」と言われたら、答えは即座に「NO」である。
しかし特にNAエンジン車であれば遅さを逆手に取った少ないパワーを使い切れるというかけがえのない楽しさがある。
さらに、トラクションとブレーキ性能の高さや、直進安定性は今一つでハンドルを通して感じる接地感も薄い。
その代わりに前に自然に荷重が掛かる下り坂では安心感が増すなどのRRの個性を危険なく、NAエンジン車ならハイエンドの軽乗用車に近い177万円で味わえるというのはトゥインゴだけの魅力だ。
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