温暖化の元凶といわれるCO2(二酸化炭素)。本稿のお題は、この環境規制の犠牲となりつつある高回転・高出力エンジンについて。
高回転になればなるほどCO2もたくさん排出されるわけで、今後、高回転エンジンはなくなる予感がします。いや、もう出てこないでしょう。つまり、官能的なあの高周波和音はもう聴けなくなるのです。
そこで、筆者が個人的に思い出すのは過去4度出場したインディ500。1994~96年の3戦に乗ったマシンには、フォード・コスワースXDという2.65L V8ターボエンジンが搭載されていた。そのエンジン回転数は13000rpmで最高出力800ps超。
初めて乗ったとき、ピットで空ぶかししてタコメーターが動かない(点灯しない)ので壊れているとメカに伝えたら「まだ6000rpmぐらいだよ、もっとアクセル踏み込め!」って。
つまりタコメーターが7000rpmぐらいから始まっていて驚いた。でも、これはデモランで乗ったフェラーリF1の3.5L V12や3.0L V10エンジンも同じ。こっちは18000rpmでほとんど10000rpmぐらいからタコメーターが点灯する。
さすがにあの頃のF1マシンの高回転ぶりは素晴らしかった思い出があるのです。すべてに共通するのが中低回転域ではぜんぜんトルクが出ない。高回転になればドカン!とくるし、やはりエクゾースト音が素晴らしい!もう音楽ですね。
前置きはここまでにして、本稿ではレースエンジンではなく、市販車に搭載されたエンジンで記憶に残るエンジン。もう作れないだろうなぁ!? と予想される高回転で官能的だったエンジンを上げてみたいと思うのです。
文/松田秀士 写真/編集部、Lamborghini、HONDA、BMW、MAZDA
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