最近のクルマは耐久性が高く、何もしなくていいやと乗りっぱなし、なかにはエンジンルームを開けたことがないという人がいるのではないでしょうか。
たしかにクルマの平均寿命にあたる平均車齢は乗用車が8.6年で26年連続で高齢化している事実もあります。
しかし、そうはいっても知らず知らずのうちに、クルマにダメージを与えている運転をしては、クルマは長持ちしないのです。
そこで、無意識のうちにやっている、クルマの寿命を短くする運転とはどんなものがあるのか、モータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸
写真/ベストカーweb編集部 Adobe Stock
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据え切り、スイッチバックはメーカーも対策済み!
昔のクルマはメンテナンス次第、乗り方次第で、コンディションが大きく変わったものだが、現代のクルマはメンテナンスフリー化や道路環境の変化に対応するため、信頼性や耐久性も大きく向上している。
例えば、駐車時などのステアリングの据え切りはパワステ機構の負担が大きく、クルマを傷めるNG行為と言われたものだ。
しかし車体の大型化もあって据え切りが避けられなくなってきた今では、電動パワステとなって耐久性も向上しているため、タイヤには良くないものの、同じように切り返し時のATの切り替え、DからRのスイッチバックも、キッチリとクルマが止まった状態でなければATを傷めてしまう行為だった。
しかし最近のせっかちなユーザーがそれを守ってくれないことを想定して、自動車メーカーは耐久テストに、この低速中のスイッチバックを取り入れている。10km/h以下の低速であれば、動きながらのシフト操作でも、変速機内部にダメージが及ばないよう対策をしてきている。
完全停止のほうがATには良いものの、それが原因でATの寿命がクルマ全体の寿命(これは機械的寿命ではなく、商品価値としての寿命)よりも早く到達してしまうことがないように、自動車メーカーや変速機メーカーは対策を施している、というのが最近の新車開発の現場なのだ。
そのため10万kmを超えた中古車でも、人気モデルであればそれなりの価格を維持しているのが、最近のクルマだ。それでも長い目で見ればクルマの寿命を縮めるような運転やメンテナンスは、まだまだ存在するのである。
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