■システムに出来るのは「急ブレーキ」のみ
最後に法的な側面を考えます。
本稿執筆時(2021年3月末)現在、WP29における自動化技術の国際基準では、「レベル3稼働時は同一車線において前車に追従」とあります。つまり車線変更が含まれていません。
このことから、システム側からすれば「急な割り込み車両」などに対する危険回避には急ブレーキのみが唯一にして最大の事故抑制策です。その先のステアリングによる回避はドライバーが責任をもって行なうべき運転操作として残ります。
こうしたことを踏まえると、システムには1秒でも早くTORを発報してドライバーに危険を知らせることが求められ、ドライバーには1秒でも早くTORに反応して回避動作につながる運転操作を行なうことが求められます。
Honda SENSING Eliteによって扉が開かれた自動運転社会。
可能であればこの先、長距離の試乗を行って、システムと交わされる協調運転に長時間触れ合うことで生まれる身体変化を感じてみたいと思います。その際は、こうしてまたレポートを行ないます。
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