世界初! 自動化レベル3ホンダ新型レジェンド公道試乗レポート【自律自動運転の未来 第5回】


■測定誤差わずか5cmで自車位置を把握

「プロトタイプからの進化ポイント」も数多くありました。

 そのひとつが、cm単位で操舵を行なうステアリング制御です。Honda SENSING Eliteでは前走車への追従機能である「ACC」と、車線中央維持機能である「LKAS」がセットで構成されています。高速道路の本線上で、別々のスイッチをそれぞれ1回、都合2回触るとACC&LKASの自動化レベル2走行が提供されます。

 車両境界線(白線や黄線)の読み取りは、フロントガラス上部の2連装光学式カメラ(単眼式で左がメインカメラ、右がサブカメラ)を主センサーとして行ないます。さらに前後左右4つのカメラで補完しつつ、全球測位衛星システム(GNSS)からの信号と、高精度地図(HDマップ)に収録されているデータとの照合により正確な自車位置把握を行ないます。その測定誤差は横方向でわずか5cmです。

カメラ、センサー、そして衛星からの情報で自車位置を把握

 ちなみに、本連載の第3回でレポートした通り、Honda SENSING Eliteではシステムの冗長性(≒複数経路による確実な実行が期待できる能力)を向上させています。具体的には、制御をグループ1とグループ2に分け、それぞれに電源を確保した二重系統で行なっています。

 グループ1はメインカメラとミリ波レーダーが中心で電源はエンジンルームのバッテリーから供給、グループ2はサブカメラとライダーが中心で電源はトランクルームのバッテリーから供給します。

 パワーステアリングはシングルモーター方式ですが、電源はこちらも二重で確保。トルクセンサーも2つ搭載し精度を高めています。ブレーキも二重で電源が確保され、一方が横滑り抑制装置「VSA」で、片方が電動サーボブレーキを制御します。停車保持機能の「オートブレーキホールド」と、電動パーキングブレーキ「EPB」も別系統で構成されています。

 Honda SENSING Eliteでは、こうして高められた冗長性によって、ひとつの電源系統に不具合が発生しても、最低限の車線中央維持機能「LKAS」とブレーキによる減速制御は確保できるといいます。

 LKASは頑なに車線の中央を走る一方で、たとえば自車の隣車線に大型トラックなどが走行している場合は、車線中央から7㎝離れて横方向の車間距離を保ちます。

 ドライバー(とHonda SENSING Elite)の安心感を高めるために意図的に行なわれる制御ですが、大型車ドライバー側(筆者もその一人)からしても進路がひらけていることから安心して気持ち良く走れます。同様にカーブでは7cmの範囲内で、センター・イン・センターのラインを通りスムースな通過をアシストします。

■「レベル3」でも走行中「レベル0」になるということが重要

 次に筆者が「気になった点」をレポートします。

 トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)と命名された自動化レベル3技術は、冒頭に挙げた3つの部分的な解放(フットフリー、ハンズフリー、アイズフリー)が注目されています。

 しかし、「意識すべき2つ目」に挙げたように、自動化レベル3が稼働中であっても状況によりTORを伴って4段階のシステム制御を行き来します。よって、その遷移には注意を払うことが必要です。

 4段階のシステム制御は次のとおりです。

1自動化レベル0/手動運転(ドライバー責任)
2自動化レベル2/ハンズオン(ドライバー責任)
3自動化レベル2/ハンズオフ(ドライバー責任)
4自動化レベル3/3つの解放(システム責任)

 今回の試乗では、4→2へシステム制御が移行し、自動化レベル3から自動化レベル2へ1段階ダウンする事象が頻繁に発生しました。しかしHonda SENSING Eliteの名誉のために付け加えると、制御の精度が低いからではなく、こうしたシステム設計の上に自動化レベル3技術が成り立っているためで、このレベルダウンは正しい制御です。

 具体的にどんなシーンで4→2が発生するかといえば……。

あ/自車がノロノロと進む渋滞した本線上を走行中
い/合流路から速い速度で車両が接近
う/その車両が車間距離をほとんどとらずに自車前に割り込み

 ドライバーに代わりシステムが周辺の安全監視を行なっていた4の最中に、ブレーキ操作による減速が必要なほど急な車両の割り込みが発生したと考えてください。この状況では、高い確率で4→2へとシステム制御か移行して自動化レベルがダウンします。ここで大切なことはシステム責任であった4(自動化レベル3)から、ドライバー責任となる2(自動化レベル2)へと遷移することです。

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