朝起きたら愛車がない!? なぜいまプリウスが盗まれるのか

クルマを盗まれるなんて話を聞いてもやはり他人事な感じがしますよね。ところがどっこい、2017年には1万台のクルマが盗まれている。1万台もクルマが盗まれるなんて、1日あたり27台もだ!! 明日は我が身、そんな危機感を持ってもいいのかもしれません。特に今回の特集は人気のハイブリッドカー「プリウス」に注目。プリウスは窃盗犯にも大人気。その理由と卑劣な手口に迫ります。起きたら愛車がない、そんな事件も起こりかねません。

文:ベストカー編集部/写真:池之平昌信、Shutterstock.com


■自動車窃盗は減っても「プリウス窃盗」は激増中!!

毎年3月に日本損害保険協会が発表している「自動車盗難事故実態調査」。これは毎年11月の1カ月間、損害保険会社各社が全国で発生したクルマの本体盗難事故と車上ねらい(部品盗難も含む)事故で、その期間内に車両保険金を支払った件数が対象となっている。

調査は2000年に始まったもので、今回で19回目を迎えている。そもそも、ここ最近は新車へのイモビライザーの標準装着などメーカーのほうでも盗難対策が進み、またユーザー側の防犯意識も高まっていることもあり、警察庁発表の車両盗難件数自体は年々激減している。

昨年が1万213件だったのに対し、10年前の2008年は2万7668件と2.5倍以上だったのだ。プリウスが同調査でワースト1位に躍り出たのが2014年から。

この年は全体での構成比で18.8%だったが、以後2015年が19.9%、2016年が19.7%、そして昨年はついに20%超えの22.3%にまで達している点は見逃せない。盗まれる確率はますます高まっているといえるだろう。

この調査に出ている車名はどの世代のモデルかまでは特定していないのだが、プリウスも現実的には2代目〜現行型までが対象で、なかでも販売台数が多かった先代の3代目プリウスが被害の中心になっていると思われる。

では、いったいなぜプリウスが窃盗犯にねらい撃ちされるようになったのだろうか。その理由を端的に表わしているかのような事件がつい最近も発覚している。

日本損害保険協会の調査結果。プリウスが2014年から最多盗難車種V4になっている

■なぜプリウスが狙われる? 卑劣な窃盗手口に迫る

福岡県警は3月、窃盗容疑で自動車整備業の36歳の男を逮捕したのだが、その逮捕容疑は昨年7〜10月の間に福岡県内で3台のプリウスを次々に盗んだというもの。

福岡県警は同県内でプリウス10台とアクア1台の盗難被害を確認しており、逮捕された男は取り調べに対し、「プリウスは人気があるのですぐに買い手が見つかる」と供述しているのだという。

この逮捕された男の供述どおり、プリウスは現行モデルこそ北米では先代までの人気はないものの、グローバルで引き合いがあり、クルマ本体とパーツの両方で換金性が高いことが挙げられるだろう。

で、その盗みの手口としてクローズアップされているのが「積み替え」と呼ばれる手法だ。簡単にいうと、クルマに搭載されているECU(エンジン・コントロール・ユニット=車両の制御を担うコンピュータ)をほかのECUに積み替えることで、あらかじめほかのECUに合わせたエンジンキーで盗むことを指す。

盗難ワースト車種になったプリウス。窃盗犯への人気も高い
盗難ワースト車種になったプリウス。窃盗犯への人気も高い

ECUはもともとエンジンの燃焼や燃費などを司るコンピュータだったが、ハイブリッド車はこのECUをエンジン以外にバッテリーやスマートキー、CVT、先進安全支援装備などの統合制御装置としてフル活用している。

ユーザー側からすれば、防犯面ではECUにしてもスマートキーにしても汎用品としてさほど高価ではないのが悩ましいところ。

1997年の初代モデル販売から21年になるプリウスは電気系統の解析が世界中で進んでいるうえ、この「積み替え」に必要なECUとスマートキーが中古で安価に入手できる環境が揃ってしまっている。

プリウス防御法は今のところ、自宅の車庫や出先の駐車場にしてもとにかく人の出入りがしにくい場所、もしくは人目につきやすいところにするしかないのかもしれない。

防犯アラームや、ハンドルロックなどさまざまな防御策を講じられる可能性はあるが、物理的に解除できないものはない。盗難までの時間を1分でも稼ぐこと、それが盗難防止グッズの役割だ。ひとたびクルマを持っていかれたら戻ってくる可能性は極めて低い。

さまざまな対策を講じて窃盗犯のやる気をそぐしか手がないのだ。

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