今、人気を集めるSUVだが、もちろんすべてのモデルが売れているわけではない。競争が激しいカテゴリーで、支持を受ける“売れているSUV”と“売れていないSUV”は、それぞれどのモデルなのか? 販売台数を見ると、意外な部分も見えてきた。
文:渡辺陽一郎、ベストカーWeb編集部
写真:編集部
ベストカー2018年5月10日号
2018年2月のSUV販売ランキング
今、「売れているSUV」と「売れていないSUV」は、それぞれどのモデルなのか? 【図】は2018年2月の国産SUV販売台数をまとめたもの。トップはトヨタ C-HRの7620台で最下位の26位はレクサス LX570の93台となっている。
最も人気が高いのはC-HR、ヴェゼルと比較的コンパクトなSUVだが、それに続く形で車格が上がるエクストレイル、ハリアーも好調。特にハリアーは2013年末登場で、すでに5年目を迎えるなか人気をキープしている。
また、フォレスターも新型登場間近ながらトップ10入りと健闘。さらに、ライトなSUVが人気を集めるなか、本格派のランドクルーザープラドが2000台以上を売り上げ、7位にランクインしている点もトピックだ。
では、こうした“売れているSUV”の人気の理由は何なのか? その「売れ方」にもスポットを当て、6つの焦点の背景に迫る。
【編集部】
C-HRが販売1位を続ける理由
トヨタ C-HRは、2018年1年間を通してのSUV販売台数ナンバーワン車。その人気の理由はどこにあるのか。
◆ ◆ ◆
トヨタ全店扱いで店舗数が多いのがまずひとつ。それと4代目プリウスが好き嫌いの分かれるデザインになったことや、コンセプトが同じで飽きられてきて、既存ユーザーがC-HRに流れているという面もあります。
営業マンもうまく薦めていますが、受け皿になるクルマを用意したトヨタの戦略も鋭いですよね。
また、2018年11月に前後ランプをLEDにして、流れるウィンカーを付けた特別仕様車を出したのも効いています。
これまでは上級グレードにオプションで、ベーシックグレードには設定がなかったのですが、割安で付けられるということで、かなり人気を呼んでいます。
C-HRのターボ比率が低い理由
人気のC-HRだが、1.2L直噴ターボの販売比率は12.5%(2018年2月データ)で、ハイブリッドが圧倒的な人気となっている。なぜか?
◆ ◆ ◆
オーリスもそうですが、トヨタの直噴ターボは割高なのがまずひとつ。それからターボは4WD専用で、ハイブリッドはFF(前輪駆動)専用になっていて、C-HRのような都会派SUVでは4WDは要らないというユーザーが多いのもその理由に挙げられます。
もちろん、燃費性能の違いも大きく、JC08モードでハイブリッドが30.2km/L、ターボが15.4km/Lではハイブリッドが人気なのも当然でしょうね。
エクストレイルのハイブリッド比率が低い理由
2018年2月のSUV販売で3位の日産 エクストレイルは、C-HRとは逆にハイブリッド比率が低く、ガソリンエンジンが7割以上を占めている。その理由とは?
◆ ◆ ◆
現行型になって少し薄れたとはいえ、エクストレイルはオフロード4WDのイメージが強いSUV。それゆえ、ハイブリッドが似合わないと思っているユーザーが多いのでしょう。
実際、ハイブリッドはウォッシャブルラゲッジでなく、「ガンガン使う」イメージから離れています。
また、ハイブリッドはJC08モード燃費が20.8km/L、ガソリンエンジンは16.4km/Lと燃費がそれほど向上しないのも避けられる理由でしょう。エクストレイルは、ハイブリッドよりディーゼルのほうが似合いますよね。
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