■スバルインプレッサスポーツワゴン WRX STi
兄貴分のレガシィツーリングワゴンが歩むGT路線とは異なり、本気でスポーツしていたのが、インプレッサスポーツワゴンの高性能モデルWRX STiシリーズだ。
インプレッサスポーツワゴンWRXは、1992年10月のシリーズ発表から約一年後となる1993年9月に、市場の声に応えて追加。コンパクトなワゴンボディにレガシィ譲りの220ps仕様の2.0L水平対向4気筒ターボを収めた快速ワゴンに仕立てられていた。
このため、1994年に登場したSTiでは、セダンと同様のスペックで発売され、高性能ワゴンとしての歴史の幕を開ける。
その後、セダンと共に進化を続け、最終的には1999年登場のVer.6とセダン同様に全シリーズにワゴンが存在した。
2代目インプレッサにも進化しても、スポーツワゴンのSTiモデルは継続されたものの、セダンのWRXが専用ワイドボディとなったことで、基本スペックは変わらずとも中途半端な印象に。
そのためか、販売は振るわず丸目の初期型のみで設定を終了してしまった。
その後、ライバルであるランエボでもワゴン仕様が登場したことから見ても、存在価値は高かったといえる。ランエボワゴン対インプレッサワゴンSTIの対決が実現しなかったのはなんとも残念だ。
■ハイパワーワゴンが遺したもの
一世を風靡したハイパワーワゴンであったが、ユーテリティ重視の需要がミニバンやSUVへシフトしたことに加え、エコカーの台頭からステーションワゴンカテゴリー時代が一気に衰退。ほとんどのモデルが消滅してしまい、ハイパワーワゴンは輸入車が中心となった。
だが、パイオニアとしてスバルは、このジャンルの火を消すまいと、2014年にレヴォーグを送り込む。トップモデルは、国内最強の300psを発揮。2016年にはGT-B登場を彷彿させるSTIスポーツを追加するなど独自の進化を続けている。
ひとりのクルマ好きとして、スバルが日本のハイパワーワゴンを守り抜いたことには敬意を払いたいと思う。
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