この時期、梅雨による長雨で大切な愛車のボディコンディションを気にする人は多い。さらに、その後には強烈な紫外線を浴びる夏も待っていて、クルマ好きにとって心配のタネは尽きない。
そこで今回は、愛車を保有する人にとって永遠のテーマでもある、「(屋根なしの)青空保管」と「屋根付き保管」の違いについて紹介する。
解説するのは、これまで13台ものフェラーリを所有し、屋根付き保管の偉大さを知る一方、セカンドカーとして軽自動車から大型セダンまでさまざまなモデルを青空保管してきた経験を持つ、自動車ライターの清水草一氏。両者の条件や劣化具合の違い、そしてボディカバーの重要性とは?
文/清水草一 写真/フォッケウルフ
【画像ギャラリー】青空保管と屋根付き車庫保管で、クルマのボディコンディションはどれだけ違ってくるのか?
■ボディにダメージを与える4つの要素とは?
梅雨シーズンだ。雨の中には小さなチリなどが多数含まれているから、雨が降ればクルマが汚れるのは当たり前。クルマ好きなら誰しも、「屋根付き駐車場が欲しいなぁ」と思う季節である。青空保管と屋根付き保管では、クルマの汚れ方も違うが、ボディのコンディションも違ってくるはず。では実際のところ、どれくらい違うのか? まずは塗装の専門家に話を聞いてみた。
「20年くらいの長期で見た場合、塗装にダメージを与えるのは、1に紫外線、2に温度変化、3にホコリなどの汚れと、雨や湿気でしょう。湿気は塗装されていないエンジンルーム内をサビさせますが、日射で熱くなったボディに雨が降って急冷されれば、温度変化によるダメージも強く出ますし、水滴に含まれた不純物が固まって雨ジミにもなる。とにかくこの4つが問題ですね」
紫外線が塗装に悪いのはよくわかる。ヘッドライトのポリカーボネイト表面は、10年も日光にさらされると黄ばんでくるが、あれは紫外線によるダメージによって、表面がボロボロになるからだ。
ボディの塗装も同じで、保管状況にもよるが、15年くらいで表面のクリアが剥がれ、その下の塗装面にもダメージが及び、少しづつ剥がれて、白っぽくなってくる。温度変化も、その幅が大きく急激なほど、塗装へのダメージは大きくなる。
一方、チリ・ホコリなどのゴミは、鳥のフンなど強い酸を出すものは別にして、付着しているだけならそれほどダメージを与えない。チリ・ホコリがボディにダメージを与えるのは、付着した状態で力が加わった時。
ホコリがついたまま乾拭きしたりすると、ボディ表面に無数のひっかき傷が付く。青空駐車の場合、手抜き掃除をするよりも、放置したほうがダメージが少ないとも言われるのはこのためだ。
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