■欧州車が一歩も二歩もリードしている部分
・ダウンサイズ過給エンジン
これはハイブリッドと表裏一体。つまり、日本の道路環境、クルマの使われ方において小排気量過給エンジンのメリットがなかなか活かしにくかった、ということ。
対する欧州では高速道路を130km/h以上で巡航しながら長距離をイッキに走るといった使われ方が多い。このような使い方ではTHSのようなハイブリッドユニットは燃費のよさを発揮できないばかりか動力性能の弱さが露呈する。こんな場面では小排気量過給エンジンのメリットが活かされるのだ。だから欧州車では普及しているし、技術も磨かれている。
・クリーンディーゼル
これも上記と同様、欧州の道路状況ではディーゼルエンジンのメリットが大きく活きてくる。100km/h巡航なら1500rpm程度、アウトバーンを150km/hで巡航しても2000rpmちょっとで走れるギア比設定ができるディーゼルターボは効果絶大。日本国内メーカーではマツダが孤軍奮闘しており欧州でも高い評価を得ているが、やはり全体量で見れば圧倒的に欧州メーカーがリードしている。
・DCT(デュアルクラッチトランスミッション)
日本車で純然たるDCTを採用しているのはGT-Rくらいのもので、多段ATやCVT(無段変速機)が主流。ハイブリッドではホンダのフィット系などがあるが、チト事情は異なるし、THSにはそもそもトランスミッションという概念がない。あえて言えば動力分割機構による無段階変速。
日本の道路環境ではトルコンATやCVTが使いやすいというのは納得がいくところ。MT比率の高い欧州ではDCTの運転感覚にも馴染みやすかった、という事情もあるだろう。優れた多段AT、CVTがすでに各メーカーから用意されていた日本では、DCTはなかなか普及しないのだ。
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