顔面模索が、次期型の最大のテーマ ステップワゴン
「ミニバンブームの火付け役」である、ホンダ「ステップワゴン」の現行モデルは、2015年4月に登場した5代目。2世代前は、ホンダお得意の低床、低重心を売りとした背低ミニバン(全高1770mm)をアピールしていたが、現行型は全高1840mmまで高め、オーソドックスなミニバンになっている。
ステップワゴンの特徴は、何といっても、テールゲートに横開き式のサブドアを組み合わせた「わくわくゲート」と、3列目シートを左右分割して床下格納できる「マジックシート」だろう。
テールゲートを中央で折れるようにしたため、リアの視界には縦に黒いラインが入ってしまうが、そのかぶり代は、最小限になるよう設計されている。また、3列目の格納はお見事の一言だ。こうした新技術にトライしたことは非常に評価できる。
だが残念ながら、この「わくわくゲート」の評判がよろしくない。わくわくゲート構造化のための補強によって、リアゲートは非常に重く、さらに、リアバンパー下から開く構造のために、ゲートが大きく重い。
セレナの場合は、バックドアをガラスハッチ構造にしたことで、軽い操作力で開閉ができる。多くの荷物を積み込みたくなるミニバンだが、そのたびに、この大きなリアゲートを開けるのは、大変なようだ。
静かで軽い走行フィーリングなどは、もっと評価されても良いのでは!? と思うが、とにかくフロントマスクが地味。しかし、マイチェンしたオデッセイのような方向性(ノーズを上げてグリルを大きく魅せる)も、さほど受けるとは思えず、新型シビックのような、平たいフロントフェイスも似合うとも思えず。
やはり、この手のミニバンにおいては、ノア/ヴォクシー、セレナがとっている「派手目のフェイス」が、現時点の正解だろう。シビックタイプRぐらい派手にしてもいいと思う。顔面模索は、次期型ステップワゴンにとっての最大のテーマとなるだろう。
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2022年から2023年にかけて、各車モデルチェンジの時期に入る。ノア/ヴォクシーは一本化でもユーザーの支持を得ることができるか、セレナはe-POWERの「次の一手」が打てるか、ステップワゴンは課題の顔面をどうしてくるか。今後もミニバン最激戦区の動向からは、目が離せない。
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