セレナは、ノートのような質感高いインテリアが急務!!
現行C27型セレナの人気を引き上げたのは「e-POWER」であることは間違いない。発電用の1.2リットル3気筒エンジンと、最大出力136ps、32.6kgf・mを誇るモーターで、重たいボディを力強く駆動する。また、現在は当たり前となった装備ではあるが、2017年にプロパイロットがいち早く搭載されたのがセレナだった。
全高と全長は、3車の中で最も大きく、特に、エルグランド(1300mm)よりも高い室内高(1400mm)による使い勝手の良さは、セレナの大きな魅力のひとつだ。エルグランドが放置されているため、セレナに流れてくる顧客もいるのではないだろうか。
車体の遮音性能が高く、e-POWERの発電時エンジン音も静かに抑えられており、ロードノイズも静かで、ワンクラス上位のミニバンのような乗り味だ。また、2019年8月のマイチェンで行われたフェイスリフトも功を奏した。特にハイウェイスターは、トヨタの大型ミニバンのような「オラオラ顔」に進化し、押し出しの強さが増したことも魅力アップにつながった。
先進性を謡いながら、生まれながらの魅力である使い勝手もアピールしたことで、ミドルクラスミニバントップに返り咲くことができたのだろう。
だがそれから2年、アリアやノート、フェアレディZなど、日産の他の商品たちが一気に世代交代をし始めたことで、セレナは日産車のなかで、新鮮味がなくなってきている。なかでも、インテリアの質感が課題だ。
インテリアの質感はこれまで、日産車共通の弱点であったが、2020年末に登場したノートを皮切りにぐっと良くなり、高級感を増している。FMCサイクルだと2023年初頭が次期型の登場タイミングとなる。だが、競争力維持のためには、それよりも早いタイミングでブラッシュアップが必要なのでは、と考える。
一本化でもデザインで成功できるか!? ノア/ヴォクシー
ノア/ヴォクシーの現行モデルは2014年1月に登場した3代目。迫力のあるフロントデザインと、低重心のワイドボディを専用フロントフェンダーパーツで強調し、「ちょい悪」な存在感を表現。ヴェルファイア似フェイスのヴォクシー、太い横基調グリルの「ノア」、どちらも迫力あるオラオラ顔で、この顔面の迫力こそが、ノア/ヴォクシーの魅力だ。
前述したように、このノア/ヴォクシー兄弟に2014年に追加された「エスクァイア」は、2021年12月に生産終了となることが正式に発表されている。
レーザーレーダーと単眼カメラを併用した検知センサーを採用したToyota Safety Senseをはじめ、プリクラッシュセーフティ、急発進を抑制するドライブスタートコントロール、ACCや、インテリジェントパー-キングアシストなど、ライバル車にある先進安全装備は、当然備えている。
加えて、トヨタ系ミニバンには、GRスポーツ、モデリスタ、TRDなど、メーカー直結のエアロパーツが豊富にそろい、ユーザーの好みに応じて、カスタマイズができる、という強みもある。
これといって弱点のないノア/ヴォクシーだが、強いて挙げるならば、その人気の大きな要因が、流動化しやすい「デザイン」である、という点だ。
昨今はアルファードの爆進もあり、大型ミニバンへと需要が向かっている風潮もあるなか、車種整理の一環で、すでにヴォクシーはZS系とZSベースとなる特別仕様車「ZS”III”」のみとなり、事実上のモノグレード販売となっている。
次期型で、これまでのようにデザインのバリエーションを持たずに「ノア」一本とした場合、そのノアのデザインで失敗すると、そこで人気が陰る可能性もある。どのような戦略で攻めるのか、2022年ともされている次期型の登場が楽しみだ。
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