緊急事態宣言が解除され、「そろそろ遠出しようかな」と考えている方も多いことだろう。クルマで遠出をするとなると、高速道路を使うことが多いかと思うが、高速道路走行で気を付けたいのは、やはり速度超過。
筆者の住む地域には、上限速度が70km/hの自動車専用道路がある。全長は20km程で見通しは良いが、山間部を抜けるためにアップダウンもあって、クルマのスピードも上がりやすく、そのためか、取り締まりが強化されている区間のようで、パトカーや覆面車両が多く走行している。
制限速度ピッタリで走行するパトカーや覆面車両にずっとついていくのはカッコ悪いが、だからといって捕まりたくはない。前方にパトカーや覆面車両を発見した場合、どうしたらいいのだろうか。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:写真AC_くろてん
写真:AdobeStock、写真AC
検挙の約85%は、「20km/h超過~30km/h未満」
はじめに、速度超過による取り締まり件数と、その時の違反速度をチェックしておこう。警察庁発表によるデータ(「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」2020資料)によると、速度超過による検挙件数の総数は、2020年1~12月で1,162,420件、一日平均にするとなんと3,184件にも及ぶ。これは、パトカーや覆面による追尾と、移動式取り締まり機やオービスといった定置を合わせての検挙数だ。非常に多いことに驚かされる。
ここで注目したいのは、速度超過による検挙の約85%は「20km/h超過~30km/h未満」である点。15km/h未満の速度超過は、「ゼロ件」とは言えないが、構成率は0.02%と極わずかとなっている。
例えば、冒頭に紹介したような、70km/h制限の自動車専用道路だと、85km/h未満だと検挙される可能性は低く、90km/h以上となると、検挙される可能性が急激に高まる、ということを意味している。100km/h制限なら、115km/h未満なら検挙される可能性は低く、120km/hだと検挙される、ということだ。
ただ、今回のお題である「パトカーを追い越して、捕まることはないか」を考えていくと、パトカーや覆面車両などの警察車両での速度超過取り締まりには、実車速(地面に対する移動速度)とスピードメーター表示速度との誤差(±5km/h程度)があるので、85km/hが安全圏であるとは言い切れない。
だが、前方を70km/hで走行する警察車両を、相対速度10km/h程度(≒10秒間かけて警察車両を追い越すイメージ)で、右側の追い越しレーンから抜き、そして走行レーンに戻れば、速度超過で捕まる可能性は低いと考えられる。ただ「可能性が低い」というだけなので、あくまで自己責任で判断してほしい。
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