日産が北米と中国で販売しているエントリーラージセダン「アルティマ」。先代モデルまで、日本の「ティアナ」と姉妹車だったアルティマは、セダン市場が縮小している日本ではピンと来ないかもしれないが、現地日産の中核モデルとして、重要な役割を果たしているモデルだ。
そんなアルティマの魅力をお伝えしていくとともに、北米や中国、そして日本におけるセダンの今後について、考えていく。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:NISSAN
日本車が人気の北米 SUVが主流だが、セダンも売れている
「セダンの市場規模が縮小し、SUVが人気の中心」という傾向は、日本だけでなく北米も同じで、北米で圧倒的な販売台数を誇るフルサイズピックアップ3台(フォード・Fシリーズ、ラム・ピックアップ、シボレー・シルバラード)を除いては、やはりSUVが主流となっている。2020年の販売ランキングを見ても、30位までのうち20台はSUVかピックアップだ。
また、上記3車種の下、4位以降のランキングを見て分かるのは「日本車が多い」ということ。30台中日本メーカーはなんと16台。これは、年間約1700万台という巨大な自動車市場を持つ北米に対して、日本のメーカーが力を注いできた結果だ。
セダンに絞れば、カムリ、シビック、カローラ、アコード、アルティマとほとんど日本車で、それ以外のメーカーはテスラ・モデル3だけ、という状況となっているが、セダンに人気が集中しているわけではなく、「日本車が人気」というベースがあって、セダンの販売数も確保されている、と考えるのが妥当かと思う。
アルティマは、2020年に北米で13万7988台も売れている。ちなみに、いま日本でもっとも勢いのあるコンパクトカー、トヨタ「ヤリス」の2020年の販売台数が、15万1766台。北米市場がどれだけ巨大なのか、お分かりいただけるだろう。
さらにいうと、カムリやアコードはもっと売れているので、セダン市場が縮小しているとはいえ、アルティマにも、まだまだ伸びしろはある。アルティマは、北米日産にとって非常に重要なモデルであり、アルティマで頑張ることは、北米日産の大きな原動力になるのは間違いない。
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