NEXCO中日本が試行導入! 新型路面清掃車の全貌

NEXCO中日本が試行導入! 新型路面清掃車の全貌

 高速道路を走行中、作業中の路面清掃車を見かけたことがある人も多いだろう。高速道路上での危険と隣り合わせの作業で路面の安全を守ってくれる姿には感謝しかない。

 このほど、NEXCO中日本がより安全に清掃作業ができる新型路面清掃車を試験導入した。作業員のリスクを低減しつつ路面の環境を守る新型路面清掃車を独占取材した。

※本稿は2021年11月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、撮影/平野 学 ほか
初出:『ベストカー』2021年12月26日号

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■作業の安全性が格段にアップした注目の新機能

中日本高速道路(NEXCO中日本)グループの中日本ハイウェイ・メンテナンス東名が10月から試行導入した新型路面清掃車。ベース車はドイツメーカーHakoの「M31H」。国内では既存製品が見つからなかったため、「吸引機能」を有する海外製品を組み合わせた

 東名や中央道を運営するNEXCO中日本が、新型の路面清掃車を導入した! それはまるで「ゾウさん」のようなクルマだった!

 路面清掃車は、以前から2種類導入されている。ひとつは「スイーパー」で、サイドブラシとメインブラシを回して、土砂や粉塵などを回収。

 もうひとつはズバリ「清掃車両」で、こっちはゴミを発見するたびに作業員がクルマから降りて回収している。スイーパーで取れない毛布や、バーストしたタイヤなどはこっちが担当。ペットボトルもスイーパーでは回収できないことが多く、その場合は人力で処理していた。

 しかし、高速道路上の作業は危険を伴う。高速道路は交通量も多く、常に命がけだ。3年前には、居眠り運転の大型トレーラーが清掃車両に突っ込み、作業員3名が負傷をする事故も発生している。

 そのリスクを少しでも低減させるために導入されたのが、今回の新型路面清掃車だ。まだ愛称はないが、「ゾウさん」でいいのではないでしょうか!

車両後部には衝突緩和装置やLED標示板などが備わる。圏央道海老名IC〜相模原IC間の試行導入で改善点を洗い出し、2023年度以降に本格導入する予定だ

 機能は文字どおりのゾウさんで、車体前方の可動式ホースでゴミを吸い込み、後方のスペースに積み込む。つまりでっかい掃除機そのものですが、家庭で使う掃除機と違うのは、小さなホコリなどを吸うわけじゃないってこと。

 使い方としては、路肩を40km/hほどで走行しながら、ゴミを発見すると徐行。ゾウの鼻を動かしてそれを吸い取るという「スポット型」だ。

 主なターゲットはペットボトル、空き缶、布、ビニール、ゴム類など。こういったゴミは、発見するたびに作業員がクルマから降りていたら本当に大変だ。

 吸引の実演を見せてもらった感じ、「鼻」の操作は意外と難しく、かなり正確に動かさないと吸い取れず、そんなにラクラクじゃない様子でした。けど、この車両はまだ試験運用中。

 慣れるにしたがって達人化するでしょうし、作業員が路上に降りる回数も、約7割削減できると期待されている。ちなみにこれまでは、走行距離20kmで10回程度の割合で、降りてゴミを回収していたとのことです。

 ところで、クルマ好きが注目するのは、これがどこのメーカーのものかってことだ。フロントフェイスを見ると、明らかに国産じゃない。

 車体はHako「M31H」というドイツ製のマルチパーパス車。メルセデスのウニモグみたいなヤツですね。エンジンは3Lターボディーゼルで、最高出力122馬力、最高速は70km/h。全長は7mあるが、全幅は1.82mと比較的狭く、路肩での作業に適している。

 で、吸引装置などはオーストリア製なんだそうです! 国産ではムリだったのか?

 NEXCO中日本によると、「時間とコストをかけずに、国内外の既存製品で可能性のあるものを探した結果、国内では見つからず、海外の製品を組み合わせることで実現させました」とのこと。

 かつての親方日の丸時代なら、コストを無視して自社開発したかもしれないが、民営化による合理化を感じる。お値段は6000万円とのことです! 高いのか安いのかわかりませんが、安全で正確な清掃作業を期待するであります! 敬礼!

現在活躍している清掃車両。3人一組で清掃を行い、ゴミを手作業で分別回収している。見張りも立てるが、高速道路での作業は常に事故の危険が伴う。新型路面清掃車は2名で作業可能だ
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