電動化も着々と 世界の最先端を行くヨーロッパのゴミ収集車

電動化も着々と 世界の最先端を行くヨーロッパのゴミ収集車

 塵芥車(じんかいしゃ)もしくは塵芥収集車と呼ばれるゴミ収集車は、ごく身近な特装車で、子供たちにもとても人気があるクルマだ。そんなゴミ収集車の中でも、世界の最先端を行くといわれるヨーロッパのゴミ収集車を見てみよう。

 多くの国からなるヨーロッパは、国ごとにゴミ収集の事情も違うはずだが、塵芥収集車メーカーは概ねドイツ、スウェーデン、フランスなどに偏在している。しかも、近年では塵芥車メーカーのグループ化が進む。

 いっぽう塵芥車は、ゴミ箱ごと持ち上げて収集する装置を搭載した「フロントローダー」「サイドローダー」「リアローダー」などが普及し、シャシーは軽トラ〜大型トラックまでさまざまな塵芥車が存在。

 また環境先進国の多いヨーロッパでは、最近になってBEV塵芥車が続々とデビューを果たしている。さまざまな形、さまざまな機能が集うヨーロッパのゴミ収集車をご紹介しよう。

文/緒方五郎
*トラックマガジン「フルロード」~世界の特装車~より

【画像ギャラリー】HVはもちろんEV化も着々と進む!! 塵芥車の最先端を行くヨーロッパのゴミ収集車たち(10枚)画像ギャラリー

■ヨーロッパの2大塵芥車メーカー

ツォエラー・ハラー/ミディアムXL。市街地集配用の大型圧縮式塵芥車でリアローダー付。荷箱容積18〜30立方メートルハラーはオランダの名門。だがツォエラー製品との統合が進行中だ
ツォエラー・ハラー/ミディアムXL。市街地集配用の大型圧縮式塵芥車でリアローダー付。荷箱容積18〜30立方メートルハラーはオランダの名門。だがツォエラー製品との統合が進行中だ

 ヨーロッパの塵芥車メーカーはドイツのキルヒホフ・グループ、スペインのロスロカ・エンヴァイロメントが2大グループを構成。

 キルヒホフ・グループは、ファウン・ウンヴェルトテヒニクとツォエラー・グループ(オランダ・ハラー、フランス・SEMAT、オーストリア・ストゥンマー、ポーランド・エコセルなど)、トルコのハイドロ・マクといった環境車両メーカー大手を傘下に加える。

ファウン/ロトプレス。独特の回転ドラム式塵芥装置を搭載するファウンの大型塵芥車、ロトプレス。荷箱容積14〜25立方メートル、セミトレーラ型では41立方メートルに達する。同クラスの圧縮式に比べ維持コストの低さをアピールしている
ファウン/ロトプレス。独特の回転ドラム式塵芥装置を搭載するファウンの大型塵芥車、ロトプレス。荷箱容積14〜25立方メートル、セミトレーラ型では41立方メートルに達する。同クラスの圧縮式に比べ維持コストの低さをアピールしている

 いっぽうロスロカ・エンヴァイロメントは、ドイツ・HSファールツォイクバウ、イギリス・デニスイーグル、フランス・エウロヴォワリ、ブラジル・ウジメカなどをグループに持つ。

 その他のヨーロッパの塵芥車メーカーとしては、オランダのヘーシンクノーバなどがある。

デニスイーグル。ロスロカ傘下のデニスイーグルが生産する塵芥車専用のローキャブ大型シャシー、エリート6。4×2・6×2・6×4・8×4の多彩なバリエーションを設定し、ボルボD8Kエンジンを搭載する。ルノートラックスにもOEM供給中だ
デニスイーグル。ロスロカ傘下のデニスイーグルが生産する塵芥車専用のローキャブ大型シャシー、エリート6。4×2・6×2・6×4・8×4の多彩なバリエーションを設定し、ボルボD8Kエンジンを搭載する。ルノートラックスにもOEM供給中だ
ロスロカ/ミレニアム。ドイツのロスロカ・HSのフロントローダー、ミレニアムFLF31。フロントローダーはゴミ箱を持ち上げるリフターの作動位置が車両前面についたものを指している
ロスロカ/ミレニアム。ドイツのロスロカ・HSのフロントローダー、ミレニアムFLF31。フロントローダーはゴミ箱を持ち上げるリフターの作動位置が車両前面についたものを指している
ヘーシンクノーバ/Geesink-GPM-IV-KT1。HIABのローダークレーンを搭載したヘーシンクノーバの大型塵芥車、GPM-IV。シャシーはボルボのFE(6×2)がベースだ
ヘーシンクノーバ/Geesink-GPM-IV-KT1。HIABのローダークレーンを搭載したヘーシンクノーバの大型塵芥車、GPM-IV。シャシーはボルボのFE(6×2)がベースだ

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