セダンは死なず!! まだまだ魅力的な国産セダン4選

低迷期の今だからこそ あとは上がるだけ!? 魅力的な国産セダン

 車名別の販売台数ランキングの上位は、コンパクトカーや軽自動車、SUVに占められており、かつてのファミリーカーの定番だったセダンは人気を落としてしまっている。

 とはいえ、重心の低さやボディ剛性では有利なセダンは根強いファンを持ち、メーカーは魅力的なセダンを作り続けている。

 今回は渡辺陽一郎氏に現行車の魅力的なセダンを紹介してもらった!

文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】ファミリーカーの主役に返り咲く日がくるのか!? 剛性と快適性に優れた国産セダン(16枚)画像ギャラリー

■人気は低調だが魅力はじゅうぶんの国内セダン事情

セダンで登録台数の最も多いトヨタ クラウン。しかし台数は同価格帯のミニバンやSUVと比べて圧倒的に少ない

 セダンはかつて売れ筋のカテゴリーだったが、1990年代の中盤以降は登録台数を下降させた。

 ミニバンが急速に普及してファミリーカーの主役になり、コンパクトカーや軽自動車も、居住性、質感、走行性能、乗り心地などを向上させたからだ。近年ではSUVの人気も高まり、セダンは古いカテゴリーと見られるようになってユーザーを奪われた。

 国内の販売状況をカテゴリー別に見ると、今は軽自動車が37%を占める。次に多いコンパクトカーも25%に達する。SUVとミニバンはそれぞれ各13%程度を占めるため、セダンやワゴンの比率は合計しても約10%だ。

 レクサスを含めて、セダンの選択肢は相応に用意されるが、各車種の登録台数は少ない。例えばカローラシリーズの場合、ワゴンのカローラツーリングは、2021年1~10月の1か月平均登録台数が約3300台になる。ところがセダンは約1300台に留まる。

 セダンで登録台数の最も多い車種は、上級モデルのクラウンだ。それでも2021年1~10月の1か月平均登録台数は約1900台。アルファードの8400台、ハリアーの6700台に比べると、価格帯は同等なのにクラウンは圧倒的に少ない。

 このようにセダンの売れ行きは低調だが、魅力まで失ったわけではない。セダンはアルファードのようなミニバン、ハリアーのようなSUVに比べると天井が低く、重心高も抑えられている。後席とトランクスペースの間には、骨格や隔壁があり、ボディ剛性を高めやすい。

 そしてセダンの低重心で高剛性のボディは、危険の回避を含めて、走行安定性と乗り心地を高い水準で両立させる。後席とトランクスペースが分離されているから、後輪のロードノイズ(タイヤが路上を転がる時に発する音)も伝わりにくく、上質な運転感覚を得やすい。

 つまりセダンは、安心と快適を向上させる上で有利なボディ形状だ。そのためにメルセデスベンツやBMWなどの欧州車には、今でもセダンが豊富に用意される。欧州では高速走行の機会が多く、安全性を高める目的で、優れた走行安定性とドライバーの疲労を抑える快適な乗り心地が重視されるからだ。

 今は衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能に対するユーザーの関心が高く、安全性と快適性の優れたセダンは、その期待に応えやすい。メーカーには、セダンを積極的に訴求する余地があり、諦めるのはまだ早い。

 以上のような事情を踏まえて、推奨度の高いセダンを考えてみたい。

■スバル WRX・S4(価格帯:400万4000円~477万4000円)

スバル WRX S4。低重心かつ高剛性でコーナリングも安定している

 低重心で高剛性というセダンのメリットを実感させる車種がWRX・S4だ。新型は水平対向4気筒2.4Lターボを搭載して、最高出力は275馬力(5600回転)、最大トルクは38.2kg-m(2000~4800回転)に達する。駆動方式はセンターデフを使ったフルタイム4WD(VTD-AWD)だ。

 これだけ高性能なメカニズムを搭載して、優れた走行性能を発揮させながら、WRX・S4は乗り心地も快適だ。そのためにスポーティな走りを楽しみながらカーブを曲がる時には、ボディが相応に傾く。

 それでもドライバーに不安を感じさせないのは、低重心で高剛性のセダンボディによるところが大きい。サスペンションの取り付け剛性も高く、ボディが大きめに傾く時でも、挙動の変化は穏やかに進む。

 唐突な挙動変化が生じないため、車両の動きも安定して、ドライバーは運転しやすい。また挙動の変わり方が分かりやすいと、運転の楽しさも味わえる。セダンは先に述べた通り安心と快適が優れているが、同じ理由により、運転の楽しさも高めやすい。そこにWRX・S4の魅力がある。

次ページは : ■トヨタ カローラセダン(価格帯:193万6000円~294万8000円)

最新号

ベストカー最新号

あのシルビアが復活! 2022年はSCOOPも特集も深掘り! ベストカー2月10日号

2022年は国産新車が35車種も登場予定! 何が誕生するのか、どれが魅力的か? と知りたいアナタにお役立ち間違いなしの「ベストカー」2月10日号。シルビア復活のSCOOP企画もアツいです!

カタログ