衝撃的な派生車をもつ「パジェロジュニア」
そんなパジェロミニをベースに、オーバーフェンダーや大型のバンパーを装着し、普通車サイズとなって1995年に登場したのが「パジェロジュニア」だ。
搭載されるエンジンは排気量1.1Lで、イージーセレクト4WDももちろん搭載。ジムニーに対するジムニーシエラという関係と同じだが、パジェロジュニアでユニークだったのは、派生車種「フライングパグ」の存在だ。
1997年に登場したこの限定車は、フロント部分に丸形ヘッドランプやフォグランプ、ウインカーランプが配置され、大型のメッキグリルが中央に構える。オーバーフェンダーはドーム型で、メッシュタイプのホイールが収まっている。まるで往年のロンドンタクシー「FX4」のようなレトロな外観だ。
あまりにも個性的な外観と「フライングパグ(空飛ぶ子犬)」という不思議なネーミングが災いしたのか、販売は振るわなかったようだが、パジェロファミリーが、いろいろなライフスタイルに対応した、懐の深いモデルである事は伝わった(と思う)。
いまでも売れそう!! ちょうどいいサイズの「パジェロイオ」
そんなパジェロジュニアの後継モデルとして1998年に登場したのが、「パジェロイオ」だ。パジェロジュニアと違い、シャシーやボディが専用設計となったことで、軽自動車規格だった室内が広々とした快適な空間となり、実用性が高まった。
エンジンは1.8L GDIを搭載し、新開発のスーパーセレクト4WD-iを組み合わせることで、走行性能を大幅に向上。2002年には3ドアとFRモデルがなくなり、5ドア+4WDモデルのみのラインアップとなった。
デザインもパジェロをそのまま小ぶりにしたようなエレガントで洗練されたスタイリングとなり、「パジェロでは大きすぎるし、パジェロミニでは小さすぎる」という需要に見事に応えた。モデルチェンジで最新のメカニズムを搭載し、デザインをモダンに進化させれば今でもそこそこ売れそうなパッケージではあるが、残念ながら2012年に生産終了となっている。
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パジェロファミリーは、ボディサイズは小さくても、「パジェロ」としてのメカニズムとデザインにこだわったうえで、それぞれに個性が与えられていたことで、「パジェロを所有する」というステータス性をきちんと感じられるモデルだった。
本格オフローダーで、上質なデザインなのにちょっと遊び心がある。パジェロだけでなく、これらパジェロファミリーもまた、唯一無二の存在のクルマたちだった。
【画像ギャラリー】40年近くも三菱を支えた名車「パジェロ」と、そのファミリーの歴史(31枚)画像ギャラリー
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