「同志よ、頼む!!」新型シビックタイプR降臨!! 実力予想とホンダスポーツの行方

ドラッグをなくし、リフトコントロールメインの設計に

 新型シビックタイプRの詳細なスペックに関しては、残念ながら「純ガソリンエンジンでマニュアルミッション」というところまでしか、開示されていない。

 だがプロトタイプをよく見ると、タイヤはFK8と同じ20インチのミシュランパイロットスポーツ4Sを装着。ホイールは新デザインとなっていたが、後期型FK8で初採用したBBS製の鍛造ホイールがなかった(リムにFORGEDの刻印がない)。この点は後にオプションで登場するかもしれない。

 また、先代は派手なフロントバンパー&リアデフューザーを装備していたが、新型では、無駄な造形を排し、空力的に有効な形状としたエアロパーツが織り込まれている印象だ。ドラッグ(空気抵抗Cd)を減らし、リフトコントロール(Cl)メインの設計としているものと推測される。

 リアウイングは、断面の厚みが薄いタイプとなったが、迎角調整でダウンフォースを調整することも可能。ルーフから流れてきた気流と、傾斜の強いリアウィンドウから流れてくる気流を、上手くコントロールするものと考えられる。なおインテリアは濃い色のスモークによって確認ができなかった。

 FL型シビックは、全体的に大人しいデザインになった印象だが、タイプRではファンの期待を上回るような、パフォーマンスと、カッコよさで仕上げてくれることだろう。

リアウイングは、厚みの薄いタイプとなったが、迎角調整でダウンフォースを調整することも可能。ルーフから流れてきた気流と、傾斜の強いリアウィンドウから流れてくる気流を、上手くコントロールするものと考えられる
リアウイングは、厚みの薄いタイプとなったが、迎角調整でダウンフォースを調整することも可能。ルーフから流れてきた気流と、傾斜の強いリアウィンドウから流れてくる気流を、上手くコントロールするものと考えられる

タイプRの生産は日本に戻ってくると予測!!

 新型シビックタイプRの生産工場について、佐藤氏に伺ったところ、「ホンダの工場は世界中にありますので、生産需要を考慮した立地の良い工場で行います」とのことだった。

 タイプRは、北米市場がもっとも需要が高く、その次に日本市場がくるそうだ。新型シビックの生産は、セダンは、カナダにあるオンタリオ州アリストン工場で行い、ハッチバックは米国のインディアナ州グリーンズバーグ工場で、生産開始となっている。

 タイプRについても、そのラインでの製造も考えられるが、タイプRのような少量生産となると、開発チームのある日本で生産する方が、何かと融通が効きやすい。新型シビックタイプRの生産は、日本へ帰ってくるのではないだろうか。日本向けのFL1シビックと同じ、寄居工場での生産が濃厚だと筆者は推測している。

信じて待っていてほしい!!

 佐藤氏に、「最後に、日本のファンや日本のメディアに向けてひと言お願いします」と、投げかけたところ、「ホンダスポーツの将来が危惧されると書かれているのをよく目にします。内部にいる我々も、外部からはそう見られているだろうな、という意識はしています。会社的にも、バッテリーEVを重視すると宣言していますので、タイプRのようなクルマはますます存在しづらくなる一台だと思います。

 ですが個人的には、こうしたクルマは残していきたい、残さねばならないと思っていますし、そう考える同志は研究所(ホンダ研究所)の中にもたくさんいます。社内にはスポーツカー好きがたくさんいて、みなタイプRのようなクルマの存続を願っている。それだけは信じていただきたいと思います。」と、話してくださった。

 バッテリーEVでなければできないことや、ならではの魅力があるのはもちろん承知している。だが、タイプRのようなガソリンくさいスポーツカーだからこそ楽しいところもある。FL型タイプRのさらに次が、どうなるのか、2022年時点では全く予想つかないが、ホンダ内部に熱い思いを持ったエンジニアが多くいると聞いて、ほっと安心した。「ホンダ」というメーカーを信じていてよさそうだ。

【画像ギャラリー】新型シビックタイプRプロトタイプも!! 東京オートサロン2022ホンダブース展示車両(35枚)画像ギャラリー

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