打つ手は一つ、「スカイラインGT-R」の復活だ
しかし、次期型で電動化されたとしても、スカイラインの未来は明るくない。スカイラインが不人気ということではなく、セダンタイプのクルマが「高くて手が出にくい特殊なクルマ」となってしまったことが原因だ。
特に日本では、ミニバンやコンパクトカー、SUVなどの、ユーティリティに優れたクルマが好まれる。数少ないセダンの需要に対しては、垣根が大きく下がったドイツ御三家や、レクサスといった強力なライバルと戦わなければならない。
そんななか、スカイラインが生き残ることができる手段は、もはやひとつ。それは第3世代R35型GT-Rの流れを継ぐ第4世代GT-Rとして、「スカイラインGT-R」を復活させることだ。
新生「スカイラインGT-R」として、スペシャルスポーツカーの立ち位置に戻れば、ブランドのフラッグシップカーとして、ある意味、その存在自体が「無敵」となる。
2021年9月、R35型GT-Rは2022年モデルと同時に、R33スカイラインGT-Rのボディカラーであったミッドナイトパープルで塗装した特別仕様車「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」と、「NISSAN GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」を発表した。
限定販売であったため、応募が殺到して抽選販売となり、多くの人が逃したようだが、筆者は、こうした日産の行動は、「スカイラインGT-R復活」のメッセージではないかと思っている。
電動AWDとなった、スカイラインGT-Rが最善のシナリオ
スカイライン存続のための最善のシナリオは、アリアの電動AWDシステム「e-4orce」を改良して搭載した「電動AWDのスカイラインGT-R」となって登場することだと筆者は考える。
前後に高出力モーターを1基ずつ搭載した4WDシステムである「e-4orce」は、駆動用モーターの強烈なトルクを、4輪へ適切に配分する。前後輪のトルク配分を制御できるので、例えば、後輪側へのトルク配分を増やし、疑似的に後輪駆動車のような特性にもできる。
ハイパワーFR車の豪快なパワースライドのようなドリフト走行だって可能なはずだ。もちろん、V37に搭載されたDAS(ステアバイワイヤ)なんて比じゃないほどの、「バキバキ」のハンドリングだってできると思われる。お客さまに感動を与えることができる新世代スカイラインGT-R。十分あり得る路線ではないだろうか。
筆者の予想通りになるかはわからないが、スカイラインがSUVになる、なんて安直なことは日産はやってこないと信じている。「技術の日産」のイメージリーダーとしてふさわしい次期型スカイラインの登場を期待している。
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