最近あの動作しなくなったね!! あるあるクルマの絶滅危惧動作

■MT関係/MTのニュートラルを確認するため、シフトノブを左右にブルブルゆする

 現在、日本におけるMT車の販売割合は約1%。MTが絶滅寸前のため、MTにかかわる動作もすべて絶滅寸前だ。

 MT車の場合、ギアがどこに入っているかを確認するのはとても重要だ。

 特に停車の際は、クラッチを上げる前についこれをやってしまう。なんだか心配性っぽいよなぁと思いつつ、ついやってしまう。ほとんど癖のようにやってしまう。

 ダサいからやめたいと思いつつ、「本当にニュートラルかな?」という疑念が沸くと、やらずにはいられない。ただしフェラーリやカウンタックの場合、ギアレバーがとても固いのでブルブルはせず、軽く動かす程度。

■ヒール・アンド・トウ

サーキットやワインディングロードで速く走らないのであれば不要なヒール・アンド・トウ。「『サーキットの狼』の風吹裕也よろしく、「ヒール・アンド・トウ!」と叫ぶようにしている」と清水草一氏(natallia@Adobe Stock)
サーキットやワインディングロードで速く走らないのであれば不要なヒール・アンド・トウ。「『サーキットの狼』の風吹裕也よろしく、「ヒール・アンド・トウ!」と叫ぶようにしている」と清水草一氏(natallia@Adobe Stock)

 一応説明しますと、MT車で減速しながらシフトダウンする際、つま先でブレーキペダルを踏みながら、かかとでアクセルをあおって回転を合わせることを目的としたテクニックです。

 これができないと、サーキットやワインディングロードで速く走ることはムリなので、昔はクルマ好きの必修科目だったが、実際にちゃんとできるのは一部のディープなクルマ好きだけだった気がする。

 学生時代、私の周囲でそんなの練習してたのは私だけでした。ただこの動作、スムーズにやると、同乗者にはわからない。特にAT車しか知らないような世代には、アピール力ゼロだ。

 そこで私は、コレをやる時必ず、『サーキットの狼』の風吹裕也のように、「ヒール・アンド・トウ!」と叫ぶようにしている。ここまでやれば、若い層にも「この人、なにかやってるらしいわ」と思ってもらえる……だろう。

 ちなみにヒール・アンド・トウは、ペダル配置によってはヒールでアクセルをあおることができないので、つま先の左右で2つのペダルを踏み分ける「トウ・アンド・トウ」に変更する必要がある。

 フェラーリのアクセルペダルは吊り下げ式で、ブレーキペダルとほぼ並んでいるので、トウ・アンド・トウじゃないとダメ。初めてフェラーリを買った時、これを練習するのに苦労しました……。

 現在愛車の軽トラ君も、ほぼ同じようなペダル配置なので、トウ・アンド・トウを使っている。ただし叫び声は「ヒール・アンド・トウ!」一択。だって風吹裕也のセリフだから!

 カウンタックは、ヒール・アンド・トウを行うのに理想的なペダル配置なので、気兼ねなく「ヒール・アンド・トウ!」と叫ぶことができる。

■ダブルクラッチ

 MT車のシフトダウンの際、一度クラッチペダルを踏んでギアをニュートラルにしてから、アクセルを踏んでエンジン回転を上げ、もう一度クラッチペダルを踏みギアを入れる。この一連の作業を素早く行うのがダブルクラッチだ。

 五木寛之先生の短編小説に、ずばり『ダブル・クラッチ』という作品があり、私は若い頃熟読した。郷ひろみ主演で映画化もされた。

 ダブルクラッチも一応練習したけれど、本来、ギアのシンクロメッシュが「ない」とか「弱い」クルマのためのテクニックで、私のような中高年ですら、そんなクルマを愛車にしたことがなく、ある意味空想上のテクニックだった。

 この動作を懐かしむドライバーは、たぶん80歳以上だろう。

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