クリーンディーゼル搭載車 ここがメンテのポイント!
基本となるのはオイル交換だ。これはクリーンディーゼル用のオイルを使うこと。クリーンディーゼルはなぜクリーンかというとPM(すす)とNOx(窒素酸化物)というディーゼルに付き物の有害物質を出さないから。ただ、PMとNOxというのはトレードオフの関係にあるから難しい。
まず、排ガス中のPMはDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)で取り除く。これは文字通りフィルターなので、そのままだと目詰まりしてしまうが、クルマ自体がセルフクリーニング機能も持っているものが多くなった。ここまではいいが、DPFは普通のエンジンオイルを使っていると、PMだけでなくオイルの燃焼した成分でも目詰まりする。しかも、こっちはセルフクリーニングできない。
だから、これに対応した規格のエンジンオイルを使用する必要がある。そういう面ではちょっと気を遣うといえる。交換までの走行距離もメーカー推奨で1万km程度になっていることが多く、ガソリンエンジン車より短めだ。
また、後処理でNOxを除去するディーゼルエンジンの場合には、尿素SCRという処理装置を使っている。「ブルーテック」などといわれるものだ。これは排ガスはクリーンになるが、クルマに尿素水(アドブルー)を貯蔵しておかなければならない。補充は2万kmごと程度だが、これもクリーンディーゼルならではの手間といえるだろう。
内装のメンテはどうするべきか?
まず、メンテナンスするなら車内にある余分なものをすべて下ろすこと。フロアマットも外して、車内を素の状態にしたらホコリを取る。
その後、掃除機となるが、フロアカーペットやシートはあまりゴシゴシやるとかえって傷めてしまうことがあるので加減が大事だ。外したフロアマットも中性洗剤で洗って、陰干しをする。
ダッシュボードやメーター周りはとにかくこまめに拭くこと。市販のホコリ取りシートなどを使用するといいだろう。安全運転という意味では視界確保のためにフロントガラスの内側の清掃に気を使いたい。基本は水拭きのあと、乾いたウエスで拭く。タオルは糸くずが付いたりするから、 不織布がベター。フロントガラスに油汚れなどが目立つようだったら、市販のクリーナーを使いクリーニングしよう。
サスペンションやブレーキはどうするか?
サスペンションは、スプリング、ショックアブソーバー、ブッシュなどがチェック項目。スプリングは20万kmもつ。ショックアブソーバーはふわふわした挙動が収まらないとか、異音がしたら交換時期。3万〜5万kmだろう。
ブッシュというのはサスペンションの接合部に使っているゴム製の部品。これは経年劣化で変形したり亀裂が入ったりする。具体的なキロ数はないが、オイル交換時などに下から目視して、亀裂が入っているようなら交換が必要だ。
けっこう乗り心地がよくなったりする。
ブレーキパッドも、エンジンブレーキをうまく使って乗ると、5万kmくらいもってしまう場合もある。減るのは主にフロントだから、車検の時にチェックして、パッドが残り3分の1程度になっていたら交換時期だ。
【番外コラム】ところでEVって20年20万kmもつの?
(国沢光宏)
EVが20年もつかと聞かれたら、ハッキリもたないと答えます。車体は心配はないけれど、ネックは電池。新車時に搭載していた電池が10年もつかがまず怪しい。そして、10年後にそのクルマに適合する電池を、メーカーがずっと作っているのかも怪しい。
日産のリーフの電池で考えれば、6年目ですでに電池の劣化が厳しい。今なら交換できるけれど、その電池も10年もたないし、適合する電池を作っていないとなれば難しいというしかない。
電池は進化が速く、部品が合えば交換できるという単純な代物でもない。それに電池は置いておいても劣化する製品で、20年置けば15%以上劣化する。未使用の電池は1回使用した電池よりも劣化が速いので、そんな採算が合わないものを、メーカーが置いておくことはないと思います。
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