■白くなるのは油分の抜けと樹脂の劣化だった!!
メカニズムとしては紫外線よって油分が抜けたりして樹脂自体が劣化しつつ、空気に触れることで内部に含まれている黒い顔料が抜けて繊維状になることで白くてパサパサした感じになっていくとされている。詳しく知るにつけ、無塗装でいつまでも黒々としているのは無理ということだ。
その防止方法はというと、なにはなくとも油分の補給で、一般的にはシリコンを主成分とした保護ツヤ出し剤を塗ることが多い。この際に注意したいのはUV吸収剤が配合されているかどうか。
成分を見ればわかるが、実際に配合されているのはけっこう少なかったりして、配合されていないとツヤは出るものの、保護という点では効果に欠けることもある。
■バーナーで炙るという荒業も! 専用のコーティング剤が無難か!?
そして最大の関心事が白くなってしまった場合の復活術だろう。劣化のメカニズムがけっこう致命的だけに、真っ白になってしまうと黒々させるのは無理だが、そこそこならかなり元に戻せる。
もちろん上記の保護ツヤ出し剤でもいいが、無塗装樹脂用のガラスコーティング剤があるのでこちらがオススメ。スカスカになった樹脂に染み込んで黒さを復活させつつ、ガッチリと固めることで再度の劣化を防止するというもので、1年間ぐらいも黒さが続くこともあるのは実にありがたい。
荒業としてはバーナーで炙るというのもある。バイクでは昔から使われていて、カウルは樹脂自体に色が付いていて塗装されていない場合がほとんどなので、黒い樹脂同様に白っぽくなってくる。
そこで軽くバーナーで炙って暖めることで内部に残っている油分を染み出させるというのが理屈。実際にやってみると溶けないようにするのに気を使うが、実際にツヤは復活する。
そのほか、根本的な解決方法としては塗ってしまうのは昔から行われていて、ツヤありの黒やボディ同色など仕上がりは様々。SUVのホイールアーチの縁取りのようにデザイン要素が強いものは塗ってしまうと変になるものの、バンパーなどにモール的に使われている場合、違和感はほぼない。
ただ樹脂であり、表面がザラザラなので意外と塗るのは簡単ではなくて、塗料に柔軟性をもたせたり、下処理が大変ではあるが、チャンとやれば貧相な感じは完全除去可能だ。
■DIYで復活も大いにアリ! 元も子もないが交換もイイ手
ちなみに塗装するのはDIYでもできなくはなくて、塗料弾きの原因となるワックス分などを完全脱脂しなければならないなど手間はかかるが、クリアを軽く吹いたり、色染め系の黒い塗料を使うとけっこううまくいく。
パーツを脱着する手間もあって簡単ではないし、プロに頼んだほうが結局楽で安かったりするかもしれないが、トライしてもみるのもいいだろう。
そして究極の対処法が新品への交換。黒い樹脂はピンポイントで使われていることが多く、小さいものなら部品代も高くはない。新品にして、改めて最初から保護するようにしてやれば黒さを長く維持できるし、白くなったのを前にして「どうしよう?」と悩むぐらいなら交換してしまうのも手だ。
いずれにしても最新のクルマだからといって、白ボケしないわけではなく、いつかはやってくるものと心得て早めの対策を行うようにしたい。
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