FFベースに生まれ変わるクラウン、中古でねらい目のFRクラウンはどれだ?

■ロイヤルとアスリートのデザイン差別化が進んだ14代目

 14代目となる旧型クラウンは2012年12月に登場した。キャッチコピーは「CROWN Re BORN」で、原点に立ち返り、クラウンの本質である優れた乗り心地や高い静粛性を磨き上げたうえに、現代においてクラウンに求められる要件を積み上げていくことを念頭に置き、開発された。

 これまでのモデル以上にロイヤルとアスリートの差別化が図られた。外観では、ロイヤルは縦に厚みを持たせたアッパーグリルとワイド感を強調するロアグリルを融合し、威厳ある新たなクラウンの顔を象徴的に演出。アスリートは、王冠を連想させ、スポーツモデルとしての機能性も感じさせるグリル形状を採用している。

 先進の安全装備として、実際に発生している追突事故の90%以上の相対速度域に対応するよう減速性能を向上させた「プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)」、駐車場でのペダルの踏み間違いなどの場合に衝突被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」を搭載している。

 搭載しているパワートレーンは、ロイヤルは2.5L V6エンジン+6速AT。アスリートは2.5L V6エンジン+6速ATに加えて、3.5L V6エンジン+8速AT。さらに両モデル共通で2.5Lエンジンのハイブリッドシステムを用意している。

 旧型クラウンのロイヤルの中古車は約500台流通していて、平均価格は約189万円。価格帯は約97万~約370万円。アスリートは約1050台流通していて、平均価格は約244万円、価格帯は約129万~約600万円となっている。

■15代目はコネクテッドカーとして

 そして、15代目となる現行型クラウンは初代コネクティッドカーとして2018年6月に登場。TNGAに基づくプラットフォームを新採用。パワートレーンをより低い位置に配置し低重心化を実現。外観デザインも6ライトウィンドウの採用によるルーフからラゲッジにかけての伸びやかで流麗なサイドシルエットが特徴だ。

「6ライトウィンドウ」デザインを採用した15代目。最近流行りのようだが、言葉自体は結構前からある。思い起こせば1989年デビューのホンダアスコット(アコードの姉妹車種)もそうだったか
「6ライトウィンドウ」デザインを採用した15代目。最近流行りのようだが、言葉自体は結構前からある。思い起こせば1989年デビューのホンダアスコット(アコードの姉妹車種)もそうだったか

 コネクティッドサービスをユーザーが利用できるように、車載通信機DCMを全車に標準搭載。ドライバー、街、社会がつながるサービスを充実させている。

 これまでのアスリートやロイヤルというモデル体系が廃止されているのが特徴で、標準系のB、S、G。スポーティなRS系、ラグジュアリーなエグゼクティブという3タイプを選べる。

 搭載されているパワートレーンは2L直列4気筒ターボ+8速AT、2.5L直4エンジンのハイブリッド。そして、3.5L V6エンジンのハイブリッドの3種類。

 運転支援システムは、第2世代型の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。さらに、パーキングサポートブレーキ(静止物、後方接近車両、後方歩行者)を採用している。

 現行型クラウンの中古車は約980台流通していて、平均価格は約402万4000円。価格帯は約255万~約830万円とまだ高水準だ。

 こうして見ると、FRクラウンの中古車でバリューが最も高いのは2012年に登場した旧型モデル。流通台数は少ないが、ロイヤルのほうが割安感は大きくなっている。「いつかはクラウン」と言われ、日本の高級車の代名詞であるクラウンは中古車でもいいから一度は味わっておきたい。


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